3月に入り窓が発生、今回の窓はどの種類になるのか?

2月は窓が発生しませんでしたが、3月に入ってから連日で窓が発生しています。具体的には3月2日から6日までにあけた2つの窓です。

また、この2つの窓の発生によって、2月中の上値の壁となっていた27,600円台を一気に突破する格好となり、ついに終値で28,000円台を回復するとともに、大きなレンジの上限をわずかに突破して3月7日の取引を終えているのが分かります。

このような状況から、レンジの上限を維持して上放れることができるのかが注目されますが、ここでポイントと考えられるのが、今回発生した窓の種類です。

私は、今回発生した2つの窓は、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。理由は、過去の値幅の範囲内で発生しているためです。

仮にコモンギャップだとした場合、大きなレンジ相場の上限を下回ってしまうと、過去の値動きと同じように反落することが考えられ、高値掴みや利益を確定するタイミングを逃さないようにする必要があると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

上昇トレンドを維持するためのポイントとは

では、大きなレンジの上限からさらに株価水準を切り上げるためには何が必要になるのでしょうか。

テクニカル的にはさらに窓が発生することです。例えば、28,000円台で再び窓をあけて株価水準を押し上げるのです。ただ、窓をあけて上昇しても、2022年8月のように押し返されてしまうのではないかと心配する人がいるかもしれません。

しかし、当時とテクニカル面から見たトレンドに違いがあるのです。それは、200日移動平均線の向きが上向きであるということです。

2022年8月は200日移動平均線が下向きを続ける中で200日移動平均線を上回っていたため、株価が下向きに変化したところではグランビルの法則の売りシグナルが発生していました。その一方、今回は200日移動平均線が上向いているため、窓をあけてさらに株価水準が切り上がった後に反転する場面があっても、レンジの上限で下げ止まるようであれば、そこは押し目買いのタイミングになることが考えられるのです。

ただし、大きなレンジの上限を下回ってしまった場合、200日前の株価との比較において、水準が逆転してしまい、200日移動平均線が下向きに変化することが考えられるため、注意が必要です。

いずれにしても、上放れるチャンスがようやくやってきた日経平均ですが、このチャンスを生かすことができるのか、要注目の3月相場と言えそうです。