【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,856.46 ▼574.98 (3/7)
NASDAQ: 11,530.33 ▼145.40 (3/7)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で、今後のデータ次第で利上げのペースを加速する用意があり、最終的な政策金利の水準が従来の予想よりも高くなる可能性があると述べたことから金融引き締めへの警戒感が改めて強まり大幅下落となりました。3ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、21ドル高で伸び悩むと売りが優勢となり大きく下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に593ドル安まで下落したダウ平均は結局574ドル安の32,856ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も145ポイント安の11,530ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
1月の米卸売在庫は前月比0.4%減となり市場予想と一致しました。また、1月の米卸売売上高は前月比1.0%増となり市場予想を上回りました。一方で1月の米消費者信用残高は前月比148億ドル増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも金融と不動産が2%を超える下落となり、素材も2%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とキャタピラー(CAT)、ゴールドマン・サックス(GS)が3%を超える下落となったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も3%近く下げました。また、アムジェン(AMGN)とスリーエム(MMM)、ホーム・デポ(HD)、ダウ(DOW)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテクか株が軟調で、なかでもテスラ(TSLA)が3%以上下げています。さらに半導体株も安くマイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)が2%を超える下落となっています。一方でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの3.96%となりました。ドル円は137円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)