2月24日に発表された米1月個人消費支出(PCEデフレーター)は、前年比5.4%上昇と市場予想4.9%上昇を大きく上回り、食品・エネルギーを除くPCEコアデフレーターも前年比4.7%上昇と市場予想4.3%上昇を上回る結果となりました。

この結果を受けて米金利が上昇し、米ドル高が進み、ターミナルレートが5.50%以上になるのではないかと感じています。3月のFOMCにて政策金利0.25%の引き上げが決定されると考えていますが、次回の会合で引き上げ幅を0.50%、または5月までの利上げを6月に延長するのではないかという見方も出てきています。こういった背景から暗号資産市場は大きく反落、円建てBTCは一時310-311万円付近まで下値を押しました。

BTC(ビットコイン)、続落となるか

【図表1】BTC/JPY 週足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY週足チャート分析です。

BTCの上値は抑えられているものの、週足チャートで見ると、サポートラインで踏みとどまっている状況です。320万円付近は重要なレジサポラインとして機能しており、ここをクリアに割れない限りは上昇目線を維持して問題ないと思います。

2月26日夜から反発し、27日午前中には320万円台まで回復しました。買い戻しの動きも活発で、2月に発表された米経済指標の結果に伴う下落を取り戻すような力強さを感じます。

【図表2】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

日足に時間軸を落とします。現状、サポートラインでキープされている状況です。前回のコラムで、買い場レンジを305-315万円と述べました。現状、このポイントが機能しているようです。あと2日もすれば、トレンドラインが上昇してきますので、310-311万円のサポートラインと重なるでしょう。そうすると押し目買いの条件が重なりますので、より買いやすくなると思います。

今週の押し目買いのポイントも、このサポートラインとトレンドラインが交わる付近としておきます。MACDはダイバージェンスを形成したものの、徐々にそのエネルギーが解消されてきています。角度を見ると、あと数日〜1週間でこのダイバージェンスの効力が薄れそうです。今週は現状価格で推移するだけで十分かもしれません。

310万円を下回らずにキープできれば、今週末あたりから来週にかけて再び上昇トレンドに回帰しやすいと考えています。

ETH(イーサリアム)、横ばいの展開を予想

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。

BTC同様に下落したものの、2月26日夜から大きく反発し、25日の高値を超えました。3月中旬に予定されているアップデート「Shanghai(シャンハイ)」が完了すると、1600万のステーキング(預け入れ)されたETHの出金が可能になります。マイナーによる換金売りの可能性は十分ありますが、それらは織り込み済みであると私は考えています。

チャート上では並行チャネルレンジの中央値で推移しており、さらにそのレンジ内で小さな下降チャネルレンジを引くことができます。日足の上昇チャネルレンジ下限ラインと、この小さな並行チャネル下限ラインの動きを見ながら押し目を狙っていく展開になると思います。

【図表4】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落として、その小さな下降チャネルラインを確認していきましょう。非常に明確に機能しており、次の押し目で拾っていきたいところです。

仮に下げたとしても今週半ばから拾っていくイメージです。21万円付近から下限ラインを意識した押し目買い戦略が有効だと感じます。

日足の上昇トレンドラインはもう少し右サイドに位置しているので、時間の経過がポイントとなるのではないでしょうか。

いずれにしても、BTC同様にETHも今週はこの価格帯をキープのほうが望ましいように思います。今週は値固めの1週間と考え、丁寧な押し目買いを意識しておくと良いでしょう。

今週も買い目線を維持しつつ、値固めで横ばいの展開をイメージしています。