先週の上海総合指数と深セン総合指数は週後半にかけて反発。そして本土株の堅調な動きを受けて、香港株も16ヶ月振りの高値更新となりました。相場が好調な材料としては11月の中国の各種経済指標が好調で、中国経済の底打ちの見通しがより強くなったことがあげられます。まず、中国物流購買連合会と国家統計局とともに発表した11月の公式中国製造業景況指数(PMI)は50.6と、10月の50.2から上昇し、2ヶ月連続の50超えとなりました。PMIは50が景況感の境目であり、50を超えると製造業の活動が拡大していることを意味します。さらにHSBCが発表した11月のPMI確報値も50.5となり、10月の確報値の49.5から上昇し、こちらもようやく50を上回ってきました。
そして、その後発表された11月の中国鉱工業生産指数は前年同月比10.1%増となり、10月の9.6%から加速した他、市場予想の9.8%増も上回りました。1-11月の都市部固定資産投資は前年同期比20.7%増と、1-10月の伸びと変わらなかったものの、冬季は建設計画が停滞する期間であるにもかかわらず、高い伸びを維持しているものとして良い数字であると捉えられています。その一方で、11月の中国消費者物価指数(CPI)も食料品価格の上昇を受けて前年同月比2.0%の上昇となり、10月の1.7%の上昇を上回りましたが、依然としてインフレを警戒するレベルにはないと思います。つまり、中国経済は成長が徐々に加速する一方で低インフレを維持しており、来年に向けて一段の回復が期待できるところにあると思います。
もう1つ好材料としては習近平氏率いる新指導部が都市化や公共住宅の建設の促進をすると述べたことがあります。これは新指導部による初めての経済政策への言及となります。これにより、12月に開催される予定の中央経済工作会議でインフラ投資に関する景気刺激策が発表される期待感が高まっています。ここでもしも十分な景気刺激策が発表されれば、上海総合指数と深セン総合指数はこれまで大きく売り込まれてきただけに急反発する可能性がありますので、中央経済工作会議で発表される政策は要注目です。