日本のクリスマスは大忙しです。その余韻に浸る暇なく、あっという間に飾り付けがお正月のものに早替わりしてしまいますから・・・。
いよいよ2016年も残り少なくなってきました。

さて、先週最終回を迎えたドラマ『逃げ恥(=逃げるは恥だが役に立つ)』は、エンディングの「恋ダンス」を米ケネディ大使も踊って動画を公開するほどの大人気でした。ムズキュンする恋愛ものであると同時に、かなり社会派な切り口を持ったドラマで、実はその点も多く評論されています。

主婦の労働対価とは?いうもので、無償を当然とされてきた家事労働を「仕事」と捉えた点が新しい視点です。
共働き世帯が大勢を占める今、家事をどう分担するのか、というのは多くの方にとっての共通のテーマでしょう。家事・育児は妻がするもの、という無言の世間の(夫の?)重圧の元、すべてをこなしながらフルタイムで働くスーパーママも多数存在します。

学生時代の卒論のテーマは「女性労働」であったこともあり、こうした働く女性についての問題には個人的にとても関心があります。
ワーキングマザーの支援は保育園を増やせば済むものではないと思います。男性が育休を少しとったからといって済むものでもなく、日常の生活、行動、世間全体の考え方の根本に大きなポイントがあるように感じます。
専業主婦に対して、それを揶揄して「3食昼寝付き」なんて言葉がありますけれど、それはそもそもの家事労働をゼロとみなしていますよね(まあ、家事をまったくしない妻である場合は別ですが・・・)。

家計のマネーを考えるとき、資産形成をしていくために効率的な投資・運用をする基本原資を作る、その前提として収支管理があります。多くの方が節約ややりくりをその方法として考えます。もちろん、それも正しいのですが、収入を増やすことも大切です。若い世代であれば先行投資として自己投資をしたうえで資格取得や転職もあるでしょう。専業主婦家庭から共働き家庭へ、というのもその一つ。
外での仕事の量や質を増やす(向上)することで、収入を増やすのですが、結果、家事労働の時間がとれなくなる、忙しくなる、誰かの負担のみ増える、疲れが倍増する、イライラする・・・では良い効果とはいえなくなります。経済的だけでなく、精神状態も含めて初めて満足のいくライフプランです。
解決方法の一つとして、上記ドラマのように家事労働を外注するということがあり、それは家事労働の対価が表面化することも意味しますよね。

世の男性諸氏がよく発しているといわれる下記のような言葉、

「働いてもいいよ。でも家のことはちゃんとして」(仕事をしたいという妻に)
「大して稼いでいないくせに・・・」(パート勤務の妻に)等々。

来年からはぜひ改めていってほしいものです(笑)。

今年もご愛読ありがとうございました!来年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さま、良いお年をお迎えください。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員