【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,704.10  △186.45 (1/10)
NASDAQ: 10,742.63  △106.98 (1/10)

1.概況

米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演でタカ派的な発言がなかったことを好感し上昇しました。1ドル安とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に151ドル高まで上昇した後95ドル安まで下落するなど前日終値を挟んで揉み合う展開がしばらく続きましたが、午後に入って買いが優勢になると引けにかけてやや上げ幅を広げ結局186ドル高の33,704ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も106ポイント高の10,742ポイントとなり3日続伸となりました。

2.経済指標等

11月の米卸売在庫は前月比1.0%増となり市場予想と一致しました。また、卸売売上高は前月比0.6%減となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、素材が1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)が2%を超える上昇となったほか、キャタピラー(CAT)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、アムジェン(AMGN)、ゴールドマン・サックス(GS)、ビザ(V)、トラベラーズ(TRV)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、スリーエム(MMM)も1%以上上げています。一方で6銘柄が下げ、ボーイング(BA)が投資判断の引き下げを受けて1%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)が全従業員の2割に相当する950人の削減を含むコスト圧縮計画を明らかにしたことで13%近く上げています。また、主力ハイテク株ではネットフリックス(NFLX)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)などが高く、ネットフリックスが4%近く上昇し、アマゾン・ドット・コムとメタ・プラットフォームズも3%近く上げました。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い3.62%となりました。ドル円は132円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。明日の夜に米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)