8月もそろそろ終わりです。
日本中が沸き立ったオリンピックも終わり、某アイドルグループの解散等芸能ニュースが注目を集めている中で、またまた投資詐欺のニュースもありました。

「数百分の1秒の速さの取引なのでリスクはなし」

「100%の保証」

投資をご存知の皆さんであれば、まさかこんな話を信じるはずはないはずですよね。取引が速ければ負けない?そもそも投資の世界に「リスクがない」「100%」「絶対」などという言葉はあり得ません。信用のあるまっとうな金融機関はけっして上記のような言葉は使用しません。

一方、別のニュースも報道されています。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金運用の赤字について。「私たちの年金は大丈夫なのでしょうか?」
あたかも2年前に国内株式の運用割合を25%に増やしたことは国民の大切な年金資金を博打にでも費やしているかのような報道です。そもそも年金運用は長期運用。こうした短期間の1年を見て赤字を強調するべきでしょうか?

直近のこれらのニュースを見て、一般の人には投資教育が浸透していないのだということを実感せざるを得ませんでした。
後者については、一般の、というより報道する側の知識・認識不足による報道のトーンがそのまま視聴者=一般の国民の認識として拡がってしまうという悪影響を伴っています。

FPという立場から、広く一般の方がマネーの知識を得る、投資のすそ野を拡げることの一助になればと活動してきましたが、残念ながらまだまだですね・・・。
やはり子どものうちから正しいお金の知識を学ぶ機会をもつことが必要に感じます。「知らない人について行ったらいけない」「他人に迷惑をかけてはいけない」といったことを教えるのと同様に、子どもの頃からお金、投資の教育をしていくべきだと思うのです。

「相場に100%はない」

「必ずリスクが伴う」

「投資は自己責任である」

そして資産形成するためのリスク分散の必要性も。

それを実現するために、親がきちんとした知識を持って家庭において伝えていってほしいものなのですが、その点もなかなか難しいものがあります。日本では子どもにお金の話をするものではないといった風潮がありましたし、大学に至るまで学校で投資教育を行うことはまずありませんでした。そのため子どもの親の世代にあたる20~40代の方々皆さんに十分に知識があるとは残念ながら言えません。
となれば、小学校の低学年時から学校教育の中でそうした機会を作っていってほしいものですね。
そうした動きが広がり、近い将来、投資詐欺の被害に遭う人がなくなり、年金運用等に対してきちんと理解する人が増えることを期待します。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員