先週末ついに日本上陸したポケモンGO。道の真ん中で立ち止まっている人の多いこと!「ながらスマホ」の危険性に、地道に警鐘を鳴らし続けてきた人々をあざ笑うがごとく、スマホを見ながら歩いて回らないとゲームにならないという危なさ。
世界中で死傷事故等頻発しており、日本でも既にトラブルはいくつかニュースになっていますよね。

とはいえ、経済効果を見込まれていることも事実。
市場においてポケモン関連銘柄への注目のみならず、人々が街に繰り出すことによって消費が伸びる、街が活性化することも期待されています。
市場に関して言えば、過熱や熱狂は急落に結び付きやすいことをお忘れなく。
北米では既にポケモンGOのユーザー数が減少に転じピークは過ぎたとの報道もあります。公開からわずか2週間で、です。
追いかけて踊らされているうちに取り残されることがないように注意したいものです。

上記のように結果として「取り残される」ことになる投資家のパターンとして、自身の投資スタイルを守らずに市場の雰囲気に流されてしまうケースがあります。
本来は長期投資家としてじっくりと株式を選択し、長く保有することを目的とするスタイルでありながら、ひとたび世の中を賑わすような銘柄が出てくると「儲けるチャンス!」とばかりに追いかけて購入してしまいます。そもそも短期の値動きの情報を集める習慣もないため、市場の微妙なセンチメントの変化に気が付かず、熱狂が去り、相場が大きく変わった後になって途方に暮れてしまったりします。

もちろん、今回の関連銘柄が全て急落すると言っているわけではありません。過去においても、ブームをきっかけに急成長を遂げた企業もあります。
しかしながら、勢いにつられて実力以上の価格がついたものは、いずれ相応の価格に収束していくことでしょう。それが市場の原理です。

長期投資家はこうした勢いやブームを無視しましょう、と言っているわけではありません。自身のスタンスや分析方法を変えずに追っかけ購入をしないようにすべきだということです。長期投資家で著名なウォーレン・バフェットはけっして世の中の流行りに踊らされた投資はしないことで有名です。ただし、まだ小さな会社であっても将来長く継続、発展すると見込めば購入し、長期間保有しながらその成長を見守っているのです。そうした金の卵を熱狂の片隅に見つけることができれば、それは素晴らしい投資に化けるかもしれません。

投資はスタイルやスタンスをころころと変えないこと、市場に右往左往せずに冷静さを失わないこと、忘れないようにしたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員