東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。247円安の27,279円で寄り付いた日経平均は直後に177円安の27,349円を付けた後下げ幅を広げると取引開始から50分弱で361円安の27,165円まで下落し305円安の27,221円で前場を終えました。295円安の27,231円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに318円安の27,208円を付けた後14時50分に267円安の27,259円を付けるなど27,200円台で軟調に推移すると結局289円安の27,237円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

西松屋チェーン(7545)が6.1%高となりました。円安によるコスト増で第3四半期の営業利益は前年同期比で4.2%減となりましたが、通期予想に対する進捗率が90.3%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。松屋(8237)も一時4.3%高となりました。12月に入り新型コロナウイルス下での行動制限の緩和に伴う訪日外国人(インバウンド)の消費増が顕著になっているとみられるなか、松屋銀座店では11月以降、50万円前後の高級ブランドのバッグや、高級時計が頻繁に売れていると伝わったことでインバウンド需要の回復を期待した買いが入りました。

一方でローソン(2651)が3.4%安となりました。完全子会社の成城石井が東証への上場申請を取り下げると発表したことで、上場に伴う利益計上が期待できなくなったことを失望した売りが出ました。東芝(6502)も6.9%安となりました。世界経済に減速懸念が強まるなか東芝の業績に不透明感が出ていることなどから、東芝への買収提案について日本産業パートナーズが最大で2兆2000億円程度を想定していたTOB(株式公開買い付け)総額を2兆円弱にとどめる検討を始めているもようと伝わったことで大幅安となりました。

また、原油価格の下落を受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が安く、INPEXが一時3.0%安、石油資源開発も一時3.2%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は289円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続が景気悪化を招くことを懸念した売りが消費関連株を中心に出て先週末の米国市場が続落となったことで大幅安となりました。こうしたなかで先週末に節目の28,000円や25日移動平均線、75日移動平均線を下回ったのに続いて、本日は節目の27,500円や一目均衡表の雲の上限(27,482円)に加えて200日移動平均線(27,247円)も小幅に割り込むなど、サポートとなりそうな水準を次々と下に抜けています。そのため下値への警戒感が強まりそうですが、一目均衡表の雲の下限(27,207円)を引けで維持したことや、3日間で900円以上も下げたことから明日以降の自律反発に期待したいところです。

なお、金融政策に変更はないとみられますが明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)