2017年4月の消費税率10%への増税の先送り・・・報道にやはりと思ったのですが、政府側は現時点では否定しました。もちろん、国際社会に対しての信認や、将来的な財政問題の深刻化について議論をすれば判断が難しいのは分かりますが、大きな天災に見舞われ、つい数年前は輝かしい実績と言われたアベノミクスが「失敗」と言われる今、決まったことだからと増税できる地合いなのか疑問です。

さて、話は大きく変わりますが、最近は空前の猫ブームと言われています。ペットフード協会の発表によると、2015年の犬と猫の飼育実態調査では、推計で犬の約991万7,000匹に対し、猫は約987万4,000匹。犬猫の飼育数差が年々縮まっており、国内飼育数が逆転するのも時間も問題とのことです。そうなるとテレビでも雑誌でも猫特集のオンパレードですね。私自身は、動物は何でも大好きですが、犬を溺愛している犬派です。

ペット業界全般の隆盛については過去にも何度か取り上げていますが、その主だったものは犬人気からくる様々な産業です。猫にはしつけスクールやお散歩代行は必要ないですから。今回の猫ブームによって、新たなニーズの掘り起こしやグッズの開発も行われつつあり、犬よりも総じて寿命の長めの猫についてはシニア猫関連も含めて、ペットビジネスとしてもまだまだ注目される余地はありそうです。

家計のマネーという観点から、犬と猫を家族として迎えた場合の年間のランニングコストを比べてみましょう(ネット等様々な情報をもとに作成)。

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※どんなフード等、何を与えるかによって大きな差になります。
種類やサイズ、飼い方、与える物によって値段の幅は大きく異なりますが、犬は最低でも年間14~15万円はかかり、猫は少なくとも10万円はかかると考えられます。
この他に怪我や病気で獣医にかかった場合、ペット保険に加入していなければ、治療費はかなり高額になることもあります。

生き物の命を生涯預かるということはそれ相応のお金と責任がかかるという認識をもつことが大切です。ペットを飼うということはライフプランニングの重要な一項目です。
猫の飼育数が増えているのも、犬より手間がかからない、という責任の少なさに注目している人も多いというのが気になります。可愛らしい子猫や子犬の画像や動画を見て、「かわいい」というだけの無責任な飼い主が増えないことを祈るばかりです。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員