【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,589.77 △737.24 (11/30)
NASDAQ: 11,468.00 △484.22 (11/30)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演会で利上げペースの減速時期は12月の会合になる可能性があると述べたことで利上げ減速観測が強まり大幅上昇となりました。57ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに268ドル安まで下落しましたが、パウエルFRB議長の発言を受けてプラスに転じると大きく上げ幅を広げる展開となり結局737ドル高の34,589ドルと続伸となり高値引けで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も484ポイント高の11,468ポイントと4日ぶりに反発となり4%を超える上昇となっています。
2.経済指標等
11月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は12万7000人増に止まり市場予想を下回りました。11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も37.2と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で7-9月期の米実質GDP改定値は年率換算で前期比2.9%増と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。10月の中古住宅販売仮契約指数も前月比4.6%低下の77.1となりましたが市場予想を上回っています。
また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は米経済活動がほぼ横ばいまたはわずかな伸びにとどまったとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が5%高となったほか、コミュニケーション・サービスも5%近く上昇しています。また、一般消費財・サービスも3%以上上げ、公益事業とヘルスケア、素材、不動産も2%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はウォルマート(WMT)とスリーエム(MMM)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が6%余り上昇したほか、セールスフォース(CRM)も5%以上上げました。アップル(AAPL)も5%近く上昇し、インテル(INTC)も4%高となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の上昇が目立ちネットフリックス(NFLX)が8%以上上げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)とテスラ(TSLA)も7%を上回る上昇となりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も6%余り上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も4%以上上昇しています。
半導体株も高くエヌビディア(NVDA)が8%以上上げ、クアルコム(QCOM)も7%を超える上昇となっています。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%以上上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%超える上昇となりました。また、料理宅配サービスのドアダッシュ(DASH)が全従業員の約6%にあたる1250人程度を削減すると伝わったことでコスト削減による採算改善を期待した買いが入り9%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利はパウエルFRB議長が利上げペースの減速時期は12月の会合になる可能性があると述べたことで0.14%低い3.60%となりました。ドル円は137円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均は節目の28,000円を超えて上げ幅を広げそうで、朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)