利上げペースの減速を好感し、米国株上昇

先週のS&P500は1.53%の上げ、ナスダック100は0.68%上昇しました。

先週のマーケットの注目は11月23日のFOMCの議事録でした。FOMCのメンバーの大多数が利上げペースの減速を支持するとしており、その減速のタイミングについても「すぐ」に利上げ幅をこれまでより縮める意向であることが分かりました。これを受け11月18日に3.82%だった米10年債利回りは先週末には3.68%と10月初旬のレベルまで下落、米国株が買われるという展開となりました。

11月10日の市場予想を下回るインフレ指標の発表に続き、今回の利上げのペース減速の可能性のニュースが出ました。この良い流れが続くか否かを決めるのが、これから発表される経済指標となります。

今後のマーケットに影響を与えそうなイベントのスケジュールは以下の通りとなります。
11月30日:パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長講演「経済見通し、インフレと労働市場」
12月1日発表予定:PCE(個人消費支出)
12月9日発表予定:11月のPPI(生産者物価指数)
12月13日発表予定:CPI(消費者物価指数)
そして締めくくりに12月14日:FOMCとなります。

米国経済のボトルネックとなっている中国のロックダウン

全体的に相場が上昇する中、中国の新型コロナウィルス対策によるロックダウン(都市封鎖)が世界時価総額ランキング1位のアップル(AAPL)に悪影響を与えています。アップルが生産するiPhoneの生産台数全体の6割から7割を任されているのが台湾の鴻海といわれており、同社の中国の工場が鄭州にあり、生産の4割がそこで製造されていると言います。

鄭州でのロックダウンが原因で、リードタイム(生産に着手してから完成するまでの所要時間)が伸びており需要があるのに売れないという状況となっています。特に影響を受けているのがiPhone14 ProやProMax等の高価格帯の機種で、入荷時期が遅れており、手元に届くのが今季から年明けへずれ込むこともありそうです。