【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,553.83 ▼39.09 ( 11/16 )
NASDAQ: 11,183.66 ▼174.75 ( 11/16 )
1.概況
米国市場は小売り大手の冴えない決算を受けて消費減速の懸念が強まったことや、半導体株に売りが出たことで反落となりました。37ドル安でスタートしたダウ平均は一日を通して前日終値を挟んで小幅に揉み合うと結局39ドル安の33,553ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も174ポイント安の11,183ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米小売売上高は前月比1.3%増となり市場予想を上回りました。10月の米輸入物価指数も前月比0.2%低下となりましたが市場予想を上回りました。10月の米輸出物価指数も前月比0.3%低下となりましたが市場予想を上回っています。一方で10月の米鉱工業生産指数は前月比0.1%低下し市場予想を下回りました。設備稼働率も79.9%と前月から低下し市場予想を下回りました。また、11月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も33と前月から低下し市場予想を下回りました。9月の米企業在庫も前月比0.4%増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーが2%余り下落したほか、一般消費財・サービスと情報技術も1%以上下げました。一方で公益事業と生活必需品の2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)が13%以上下落しました。8-10月期の決算が大幅な減益となったうえ、年末商戦期を含む2022年11月-2023年1月期もインフレによる販売低迷が続く見通しを示したことで売りが膨らみました。低調な年末商戦を警戒した売りで百貨店株も安く、メーシーズ(M)が8%余り下げたほか、コールズ(KSS)も7%余り下落しました。
また、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー(MU)が半導体市況の悪化を理由にメモリー生産を2022年6-8月期比で20%削減すると発表したことで6%を超える下落となりました。他の半導体株にも売りが波及し、ウエスタンデジタル(WDC)が7%を上回る下げとなったうえ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)、クアルコム(QCOM)も4%以上下落しました。インテル(INTC)も4%近く下げています。一方でホームセンターのロウズ(LOW)は決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで3%高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%低い3.69%となりました。ドル円は139円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)