先週は暗号資産市場にとって大荒れの1週間でした。端を発したのは、暗号資産の交換業大手「FTXトレーディング」の破産申請です。同社の日本法人であるFTXジャパンも対象に含まれています。
FTXジャパンの発表によると顧客の資産は法令にのっとって管理されているとのことです。ただ、SNS上などでは、暗号資産のシステム管理はグローバル拠点で実行されているという情報も流れており、各国の法律がどこまで適用されるか否かなど状況が複雑化するのではないかと思います。
しかしブロックチェーン自体に何か問題が生じたわけではありません。しばらく暗号資産市場は不安定な推移が続くでしょうし、買い場はまだ先になると思いますが、ショート戦略を立てていきたいところです。
BTC(ビットコイン)、200万円を意識した展開を予想
先週のチャート形状から安値更新となりましたので、BTC/JPY週足チャート分析を見ていきたいと思います。
サポートラインであった235万円付近をしっかりと割り込み、現在は223万円付近で推移しています。次のサポートラインは150万円が引けるラインで、2019年の高値になります。次に悪材料が出てくる場合は、ここまで下落するリスクに注意した方がよいでしょう。
その手間の200万円の節目も意識されるかもしれません。現状からわずか10%程度の下落で到達してしまいます。私はこの水準が近づいているように見えます。将来的にFTXの管財人立ち会いの元、資産売却の売り圧力が波及する可能性も考えられるからです。
この動きの先を見越してクリプトファンドのポジション清算も早まることも考えられます。また投機的な動きをみて、1万ドルなどのオプションが狙われる可能性もあるでしょう。
FTXの破綻を受けて、下落トレンドがまだ続くでしょう。よって、235万円のサポートラインをバックに戻り売りトレードを検討するのがよいのではないでしょうか。前回のコラムでは、一部のポジションを手仕舞いする戦略をお伝えしましたが、今回はオールクローズ、さらに下落方向を意識した展開を予想しています。
ETH(イーサリアム)、10−12万円付近で下げ止まる見通し
続いて、ETH/JPY週足チャート分析です。
ネックラインを割り込み、2022年の安値に届きそうなところでしょうか。BTCや他のコインと比較して、安値を割っていないことは評価できると思います。
先日のETHの大型アップグレードによりETHの発行枚数は上限に達し、流通量が少しずつ減少しています。よってアセットとしての価値が高まったと考えられます。そのため、この下落相場は10−12万円付近で止まるかもしれません。下落目線で考えているものの、ETHの売りトレードは見送り、深い押し目買い戦略としたいと思います。
10-12万円付近からの買いトレードを予想します。ボラテリティが非常に高い状況です。じっくりと押し目買い水準まで待機し、何回かに分けてエントリーするのがよいのではないでしょうか。
2018年と同様に12月あたりに底を打つのではないかと予想しています。