東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。27円高の27,614円で寄り付いた日経平均は10時前に61円安の27,526円を付けた後11時10分過ぎに61円高の27,649円を付けるなど昨日の終値を挟んで上下60円程度で揉み合うと58円高の27,646円で前場を終えました。59円高の高の27,646円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに95円高の27,682円を付けた後伸び悩んだものの27,600円を上回って推移すると結局91円高の27,678円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が小幅に下落となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したJT(2914)が9.5%高となり年初来高値を更新しました。国内外で紙巻きたばこの価格を改定した効果などから通期の営業利益の見通しを5490億円から6490億円に上方修正したうえ、年間配当金を従来見通しから38円増額し188円にすると発表したことから買いを集めました。

上期決算を発表し通期の業績予想を上方修正したコマツ(6301)や電源開発(9513)も大幅高となりました。コマツは北米や東南アジア市場の拡大に加え円安や値上げ効果もあり通期の営業利益の見通しを3460億円かあら4400億円に引き上げたことで4.8%高となり、電源開発も米国で運営するガス火力発電所で燃料コストを販売価格に転嫁し利幅が広がることなどから通期の営業利益の見通しを1100億円から1620億円に引き上げたことで5.4%高となりました。メルカリ(4385)も17.0%高となりました。広告宣伝費などを中心に国内外で投資を抑制したことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で3.7倍となったことで買いを集めました。

一方で13時25分に上期の決算を発表したトヨタ(7203)は1.9%安となりました。通期の純利益の見通しを2兆3600億円に据え置いたことで決算発表直後にマイナスに転じ一時は2.6%安となる場面もありました。また、京セラ(6971)も円安の恩恵もあり上期の営業利益が前値同期比で1.1%増と増益を確保したものの市場予想を大きく下回ったことで7.5%安となったほか、上期決算を発表したLIXIL(5938)も円安や銅、アルミなど原材料価格の高騰で資材の調達コストがかさむことなどから通期の営業利益の見通しを780億円から390億円に下方修正したことで10.8%安となり年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は91円高となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りが出て反落となったこともあってマイナスとなる場面もありましたが、節目の27,500円を前に下げ渋ると買いが優勢となり一目均衡表の雲の下限(27,664円)を小幅に上回って取引を終えました。明日は翌日が休場ということや、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や米雇用統計の発表を控えていることから様子見になりやすいといえます。そのためこうしたなかで引き続き買いが優勢となった場合には一目均衡表の雲の上限(27,750円)を上に抜けて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後には日本製鉄(5401)やソニーグループ(6758)、TDK(6762)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には10月の米ISM製造業景況感指数が発表されるほか、1日の米国ではウーバーテクノロジーズ(UBER)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などの決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)