米ドル/円は波乱の様相

米ドル/円相場は一時151.94円と32年ぶりの高値を更新する場面がありました。一方、米利上げ減速観測や、政府・日銀による円買い介入の観測が高まり、一時146.23円まで急速に値を下げるも場面もあり、高値波乱の様相となっています。

足元の水準は様々な言動が生じやすい水準なのかもしれません。先週末、あるラジオ番組でお話しさせていただいたのですが、私はよくPC画面上に表示しているチャートで、親指と人差し指で波動の値幅を図り、ざっくりとした達成感やフシを観測することがあります。そこでは、確か153円±1円かで達成感が出やすいとコメントした記憶があります。

2015年6月の高値125.85円→2016年6月の安値99.08円までの円高値幅は26.77円です。その円高値幅を2倍にして円安方向に当てはめた、いわゆる倍返しが152.62円です。

2011年10月安値の75.55円→2015年6月高値の125.85円までの円安値幅は50.30円ですが、2020年3月安値の101.17円からその円安値幅を足すと151.47円となるからです。概ね、151.50円~152.60円とすると、直近高値151.94円はこのレンジに入ります。

過去の調整値幅と過去の高値のフシが重要ポイント

さて、仮に米ドル/円がここから調整(円高)に転じた場合、過去の調整値幅と過去の高値のフシが重要(過去の高値が安値になるという理屈)となります。

過去の調整値幅としては、2015年6月高値の125.85円→2016年6月安値の99.08円までの26.77円、2016年12月高値の118.66円→2020年3月安値の101.17円までの17.49円があります。一方、過去の高値のフシは、2007年6月高値の124.16円、2015年6月高値の125.85円、2002年1月高値の135.10円です。

そこで、直近高値の151.94円から調整(円高)した場合、過去と同じ17.49円の調整幅だといくらになるでしょうか?また、26.77円の調整幅だといくらになるでしょうか?計算式は簡単です。

(1)151.94円-17.49円=134.45円
(2)151.94円-26.77円=125.17円

となります。(1)は2002年1月高値、(2)は2007年6月や2015年6月の高値に近い水準となります。

ということからも、直近高値の151.94円を含め、153円±1円程度の水準は重要な気がします。米国株式市場では、ダウ平均に続いて、S&P500が10月初旬の戻り高値を終値で更新してきました。あとは、ナスダックと日経平均が同じような動きになれば、米ドル安・円高の方向へ少しはっきりと動きだす可能性が高いような気がします。