本土市場は先週末に急反発しました。先週は中国共産党第18回全国代表大会が間もなく始まることが国営テレビで伝えられました。この共産党大会では政権交代が予定されているわけですが、いよいよ具体的な日程が発表される段階に入ってきています。具体的な日程が明らかになってくることにより、新政権による新たな経済対策への期待が高まっている模様です。
また、中国本土市場は10月1日から秋の長期連休に入るため、今週は1週間休場となります(10月8日(月)より取引再開。なお、香港市場は10月1日、2日のみ休場で、3日(水)より取引再開)。中国本土市場は5月以降、5ヶ月にわたり大きく下落してきたため、政治的不透明感が払拭される10月は反発すると見ている投資家が連休前にポジションを増やしたという見方もあります。
その他のポジティブなニュースとしては、国営の中国証券報が伝えたニュースで、中国の景気は第3四半期に底入れし、第4四半期には回復する公算が大きいと中国人民銀行の高官が述べたことがあります。このニュースの中で中国人民銀行の金融研究所のディレクターは中国の2012年の成長目標7.5%は達成可能とのコメントもしています。この記事にかかわらず、これまでに中国政府が行ってきた金融緩和や欧米の金融緩和が功を奏し、第4四半期に景気が回復するという見方は根強くあります。
一方でネガティブなニュースとしては中国企業の業績の悪化が続いていることです。8月の中国の工業大手の利益は前年同月比6.2%減と、7月の5.4%減から加速して悪化しています。ただ、9月の中国製造業景況指数(PMI)は、中規模企業の割合が大きいHSBCのPMIが8月の47.6から9月は47.8に、大企業の割合が大きい中国国家統計局発表の公式PMIは8月の49.2から9月は49.8へと上昇しており、景況感の分岐点となる50は下回っているものの、共に8月からの改善を示しています。前述の中国人民銀行の高官の見通し通り、第4四半期に中国の景気が底入れし、企業業績が改善するなら、長らく下落してきた中国本土株は大きく反発する可能性があります。