新たな窓の発生と窓埋めでレンジの上限を上回る
日経平均は窓の発生が多くなっています。まるで新興市場の小型株のように窓があいており、8月17日に高値をつけてから窓の発生が目立っているのが分かります。
また、前回のコラムでは9月6日までの値動きについて解説しましたが、9月7日以降にも4つの窓が発生しています。
1つは9月6日と7日にあけた窓、その他は9月7日と8日、9月8日と9日、9月9日と12日と、9月7日から12日までの間に3つの窓が連続してあいているのです。
9月7日に窓をあけて下落した場面では、終値で200日移動平均線を下回る場面がありましたが、翌9月8日は窓をあけて反発して始まると、大陽線を形成してレンジの上限に接近して終えています。またこのとき、8月31日と9月1日の窓を埋めています。
その後、9月8日と9日、9月9日と12日にも窓をあけると一気にレンジの上限を突破して28,500円台を回復し、9月13日もわずかながら株価水準を切り上げました。またこのとき、8月25日と26日にあけた窓を埋めており、上方向にあった窓を順番に埋めているように思われます。
このような状況から継続反発への期待が高まるところですが、反発が継続するためにはどのような状況になる必要があるのでしょうか。
また、今回発生した窓はどの種類の窓になるのでしょうか。今回発生した窓の種類によって今後の値動きが予想できるかもしれません。
今回発生した窓はどの種類の窓なのか?
では、今後の値動きを考える前に今回発生した4つの窓について考えてみましょう。まずは9月6日と7日の間に発生した窓についてです。この窓は過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップ(=普通の窓)と思われます。
一方で、9月7日から12日までに発生した窓はどの種類の窓と考えられるでしょうか。これらも過去の値幅の範囲内であることからコモンギャップ(=普通の窓)と考えられますが、1つ興味深い点があります。それは、「3つ連続して窓が発生」しており、「三空(サンクウ)ではないかということです。
相場格言に「三空売り向かえ」と言う言葉がありますが、今回の3つ連続して発生した窓をどの種類の窓と定義するのかによって、今後の判断が分かれるのではないかと思われます。
個別に見ると、前述のように過去の値幅の範囲内であることからコモンギャップ(=普通の窓)と考えられますが、3つ窓が連続して発生していることを考慮しますと、少し定義付けが変わってしまうかもしれません。
なぜなら、3つ目の窓は9月7日から始まった反発の高値で発生しており、エグゾーションギャップ(=消耗する窓)の可能性があると考えられるからです。
仮にエグゾーションギャップだとした場合、反落したときには窓を埋めることが考えられるとともに、株価が一気に反転してしまうことが考えられ、警戒が必要になるのではないかと思われます。
そうなれば、再びレンジの上限を割り込んでしまい、場合によっては200日移動平均線に接近したり、下回ったりすることが視野に入るのではないかと思われます。
いずれにしても日経平均は小型株のように価格が飛んで窓がいくつも発生する状況になっています。このような状況が続くときは方向がはっきりしていないことを示していますので、振り回されないように注意したいところです。