【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,510.43  ▼280.44 (8/31)
NASDAQ: 11,816.20  ▼66.93 (8/31)

1.概況

米国市場はクリーブランド連銀総裁が来年の早い時期までに政策金利を4%を超える水準に引き上げる必要があり、来年の利下げ転換はないだろうと述べたことなどで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化を警戒した売りが続き4日続落となりました。36ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に175ドル高まで上昇した後伸び悩むと前日終値を挟んでしばらく揉み合いましたが、午後に入って売りが優勢になると取引終盤に下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は280ドル安の31,510ドルとほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も66ポイント安の11,816ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は13万2000人増に止まり市場予想を下回りました。一方で8月の米シカゴ購買部協会景気指数は52.2と前月から上昇し市場予想も上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでも素材と一般消費財・サービスが1%以上下落したほか、情報技術とエネルギーも1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもセールスフォース(CRM)が2%以上下げ下落率トップとなったほか、メルク(MRK)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も2%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、家庭雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)がエクイティ・ファイナンスを含む新たな経営再建計画を発表したことで1株価値の希薄化を懸念した売りが出て21%余り下げました。パソコンやプリンターのHP(HPQ)も決算を発表し通期の1株利益の見通しを下方修正したことで7%を超える下落となっています。

一方で写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が経営再建策の発表を受けて8%以上上げました。メタ・プラットフォームズ(META)もフェイスブックとは独立して運営していたゲームアプリのサービスを10月下旬で終了することが明らかになったことでサービスの見直しや再編を好感した買いが入り3%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い3.19%となりました。ドル円は円安に振れ139円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の28,000円を下回りそうですが、昨日同様に28,000円を割り込んだところで押し目買いの動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)