25日移動平均線をあっさり割り込み、反発も限定的
前回のコラムでは「5日移動平均線上を回復すること」が必要だと解説しました。また、「25日移動平均線上で下げ止まって反発するようですと、下向きの5日移動平均線上を回復して維持することが視野に入る」とも解説しました。
その結果、8月24日に上向きの25日移動平均線まで下落したものの下げ止まり、解説したように反発して8月26日には下向きの5日移動平均線を上回る展開となりました。
ただ、週末の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演を受け、米国株が大幅安となったことが東京市場にも影響を与え、8月29日の下落で一気に25日移動平均線を下回ると同時に、ボックス型のもち合いの上限を割り込んで、ボックスの中に逆戻りする結果となってしまいました。
また8月24日から30日の間に、2つ窓が発生しています。1つは8月25日と26日の間にあけた窓、もう1つは8月26日と29日の間にあけた窓です。
これらの窓は、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えられます。理由は過去の値幅の範囲内で発生しているからです。
ただそれにしても、ボックス型のもち合いの上限を超えた8月12日から30日までの間に窓がなんと6つもあいています。そのうちの2つは今回の下落で埋まりましたが、値動きが激しいことが分かります。
ボックス型のもち合いを上抜けるまで、上値の重たい展開が続くのか
では、今後の展開はどうなると考えられるのでしょうか。株価が下向きの5日移動平均線に押し戻されたと同時に、25日移動平均線やボックス型のもち合いの上限を下回ってしまっているため、再び上昇に向かうためには、これらの一つ一つを上回っていく必要があります。
まずは下向きの5日移動平均線を上回ることがカギになると思われます。仮に5日移動平均線上を回復して維持するようですと、5日移動平均線がサポートになって反発が続くことが考えられます。
そうなると、上向きを続けている25日移動平均線やボックス型のもち合いの上限を突破することも視野に入りそうです。
その一方で、5日移動平均線が上値の抵抗になって押し返される状態が続くようですと、緩やかな下向きを続ける200日移動平均線に接近したり、割り込んだりすることが考えられます。その場合は、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行うなど慎重に対応する必要があるのではないでしょうか。
ボックス型のもち合いを上抜けることができなかったり、200日移動平均線で下げ止まることができなかったりするようですと、7月19日と20日にあけた窓に接近したり、埋めたりすることも視野に入りますので注意したいところです。