モトリーフール米国本社、 2022年8月28日 投稿記事より

主なポイント

・バフェット氏は、石油・ガス大手のオクシデンタル・ペトロリアム株を今後も積極的に買い続ける見通し
・オクシデンタル・ペトロリアムは、盤石な配当を誇る堅固な企業へと変わりつつある
・将来性を考えると、オクシデンタル・ペトロリアムの株価は大幅に上昇する可能性も

ウォーレン・バフェット氏が買ったことで、オクシデンタル・ペトロリアムが一躍注目の石油株に

バフェット氏は通常、長期保有を前提として企業の株式を購入しています。しかし、石油・ガス大手のオクシデンタル・ペトロリアムの場合は少し違うようです。オクシデンタル・ペトロリアム株の購入ペースを見ると、バフェット氏は最終的に同社を買収する可能性がありそうです。

同氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.A、BRK.B)は2022年7月、オクシデンタル・ペトロリアムの株式を最大50%まで取得することを認めるよう申請していました。そして先日、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は申請を承認したことを明らかにしました。

バフェット氏は以前からオクシデンタル・ペトロリアムの優先株やワラントを保有していましたが、3月に同社の普通株を保有していることが開示情報から明らかになりました。それ以降、同氏はオクシデンタル・ペトロリアム株を積極的に買い続け、8月上旬の購入により持ち分は20%に達しました。執筆時点で、オクシデンタル・ペトロリアムの株価は3月月初から57%近く急騰しています。

バークシャー・ハサウェイは6月末時点で約1,050億ドルという豊富な現金を保有しており、バフェット氏がそれほどの資金をどこに使うのかについて長い間話題となっていました。ただし、石油会社に投資すると予想していた投資家はほとんどいなかったでしょう。石油は景気循環セクターである上、気候変動との闘いにおいてクリーンエネルギー燃料が台頭し、化石燃料は不確実な未来に直面しています。

そうした否定的な見方にもかかわらず、バフェット氏は石油の未来に明らかに強気で、50%の株式取得を視野に入れるほどオクシデンタル・ペトロリアムを有望視しているようです。バフェット氏が気まぐれで投資することはなく、オクシデンタル・ペトロリアムへの投資には確かな根拠があるはずです。

石油の魅力と堅実な石油投資

化石燃料から再生可能エネルギーへの移行が世界中で進んでいることは事実ですが、そのペースは遅々として進んでいません。米エネルギー情報局(EIA)は2021年10月に発表した旗艦報告書「世界エネルギー見通し」の中で、石油需要は2050年まで上昇し続け、石油は今後も最大のエネルギー源であり続けると予測しました。

オクシデンタル・ペトロリアムは、パーミアン盆地に鉱区を持つ石油生産最大手企業の1社であるだけでなく、中流事業や化学事業も手掛けています。また重要な視点として、同社はバフェット氏の投資基準のほとんどを満たしており、とりわけ財務の健全性と配当は特に優れています。

3月に原油価格が急騰する以前から、同社は2022年の優先事項として、「キャッシュフローの成長、債務削減、配当の継続と増配」を掲げていました。2021年には過去最高のフリーキャッシュフロー創出と債務の67億ドル削減を達成し、2022年2月に年間配当の1,200%引き上げという驚異的な増配を実現しました。

その後も、オクシデンタル・ペトロリアムは全速力で進んでいます。第2四半期だけで、負債総額の19%に当たる約48億ドルを返済しました。これにより、短期的な債務削減目標を早くも達成し、さらなる増配や自社株買いの道が開かれました。

第2四半期決算発表の際にビッキー・ホラブCEOは、株主は今後も「段階的かつ有意義な」増配を期待できると述べ、2023年には配当と自社株買いで1株当たり4ドルの株主還元を行う可能性があるとの見方を示しました。ちなみに、2022年2月に大幅に増配したとはいえ、オクシデンタル・ペトロリアムの現在の1株当たり年間配当はわずか0.52ドルです。

バフェット氏は、負債が少なく、力強いキャッシュフローを生み出し、増配を行っている優良企業を好みます。きっと誰でもそうでしょう。

オクシデンタル・ペトロリアム株は買い時

石油株の典型として、原油価格が下落すればオクシデンタル・ペトロリアムの株価も下落する可能性があります。しかし、オクシデンタル・ペトロリアムについてバフェット氏に反対する理由は見つかりそうにありません。石油以外にも、同社は炭素回収・貯留(CCS)にも積極的で、この事業は市場規模が数兆ドルに上ると推定され、今後数年間で同社に大きな付加価値をもたらしてくれる可能性があります。

これらのことから、オクシデンタル・ペトロリアムは資本配分に優れた企業であり、配当株としても堅実であることがお分かりでしょう。バフェット氏が最終的に同社を買収するかどうかに関係なく、エネルギー投資家であれば、オクシデンタル・ペトロリアム株の押し目買いを狙わない手はありません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Neha Chamariaは、記載されているどの銘柄にもポジションを保有していません。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイ(クラスB)の株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の200ドルコールのロング、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の200ドルプットのショート、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の265ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。