ダウ平均、短期の上げ相場に

ダウ平均は年初来安値である29,888ドル(6月17日)から、直近高値34,152ドル(8月16日)まで2ヶ月間でおよそ4,260ドル上昇しました。テクニカル指標でみると、長期トレンドをみる200日移動平均線付近まで上昇したことになります。

この短期の上げ相場、単なる「ベアマーケットラリー(弱気相場の中での一時的な反発)」ではないか、という意見をよく聞きますが、本当に一時的な反発なのでしょうか? 

1月4日につけた史上最高値36,799ドルからの下落波動では、短期でこんなに大きな反発が生じたことはありません。確かに、200日移動平均線から折り返し、調整する可能性は高い。しかし、ある程度下げた後に再び上昇基調になっていくとしたら、それでも「ベアマーケットラリー」と言えるのでしょうか。

弱気相場の中での一時的な反発であれば、反発もどことなく弱々しい雰囲気が伝わってくるものですが、例えば騰落レシオをみると、今回はそうとも言い切れません。

騰落レシオから考察するダウ平均の動き

騰落レシオとは、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って求めます。通常は25日間の平均を使うため、「騰落レシオ(25日)」という表記をよく見かけることがあるでしょう。値上がりと値下がりが中立の100%を中心として、120%以上になると過熱圏、70%以下は底値圏とみるのが一般的です。指数によって、その水準の判断はまちまちです。

特徴的なのは、株価の底値と騰落レシオの底は概ね一致することが多い反面、株価の天井と騰落レシオのピークが一致することは珍しいということです。騰落レシオがピークをつけてからも、株価はしばらく上昇を続けることが多いのです。

ダウ平均の構成銘柄の騰落レシオ(25日)は8月18日時点で157%と、2019年9月以来の高い異常値まで上昇しました。2020年の新型コロナショック以降、145%すら超えたことがなかったわけですが、それだけ凄い騰勢だったと言えます。先週末の下げは、さすがにそういった過熱感から生じた現象なのかもしれません。

しかし、2018年以降、ダウ平均の安値からの短期間の反発で、騰落レシオが底値圏から過熱圏の異常値まで一気に上昇したケースをみると、ダウ平均はその後の微調整を経て、再び上昇を続けた経緯があることがわかります。

つまり、今が「ベアマーケットラリー」だとしたら、騰落レシオが150%を超える異常値などを示すことはない、というのが私の見方です。4,260ドルも上げた相場には反動もあるでしょう。

しかし、安値から異常値を伴うような大きな反発は、決して一時的という弱々しい現象ではなく、むしろ大きな上昇局面に入る初動の強い買いサインとみるべきではないでしょうか。年末あたりには1年ぶりの史上最高値更新が視野に入ってくるかもしれません。