モトリーフール米国本社 – 2022年8月16日 投稿記事より

主なポイント

・16日朝の株式市場は静かな幕開けに
・ウォルマートの株価は堅調な決算発表を受けて上昇
・アライ・フィナンシャルの株価はさらに大幅に急騰

8月16日の株式市場は静かな幕開けに

8月15日の株式市場は最終的に上昇となりましたが、ウォール街は、前日の勢いを維持できずにいます。先物取引は16日朝にわずかに下落しており、多くの投資家は、連邦公開市場委員会(FOMC)の直近の議事録から、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する思考プロセスが明らかにされるのを待っているようです。16日午前8時45分現在、NYダウ先物は26ドル安の3万3,847ドル、S&P500指数先物は5ポイント下落して4,294、ナスダック総合指数先物は11ポイント下落の1万3,670となっています。

今週は小売企業の決算発表が目白押しで、投資家は前四半期に低調だったウォルマートがどうなるか楽しみにしていました。実際のところ、ウォルマートの決算は、株主を概ね満足させる内容でした。一方で、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.A、BRK.B)が持ち分を大幅に引き上げたアライ・フィナンシャルは、株価がウォルマートよりも大幅に急騰しています。

以下では、ウォルマートの決算内容と、アライ・フィナンシャルの株価が16日朝にウォルマートをアウトパフォームした理由について説明します。

ウォルマートは好調を回復

ウォルマートの株価は、16日のプレマーケット取引で4%近く上昇しました。同日に発表された5-7月期(2023年1月期第2四半期)決算は、前四半期の業績不振で心配していた投資家にとって明るいニュースとなりました。

決算内容は、一部の予想を上回りました。売上高は前年同期比8.4%増の1,529億ドル、米国既存店売上高は同6.5%増、Eコマース売上高は同12%増でした。特に好調だったのは倉庫型会員制スーパー部門のサムズクラブで、会員数は過去最高を更新しました。海外売上高はそれほど伸びませんでしたが、ドル高によって売上が圧縮されたことが主な原因です。

利益率は圧力にさらされており、粗利益率は1.3%ポイント超低下しました。しかし、ウォルマートの経費削減の取り組みが成果を挙げており、利益への影響は軽微にとどまりました。調整後1株当たり利益(EPS)1.77ドルは、下方修正後ではありますが、会社側予想を上回りました。

同社は年度下半期の見通しを据え置き、ダグ・マクミランCEOは、厳しいマクロ経済環境にもかかわらず、デジタル販売チャネルの拡張と海外市場への進出拡大という現行の戦略が業績に寄与していると指摘しました。ウォルマートには、中小の競合企業ほどの成長性はありませんが、同社は足元のペースを保ち、小売業界のリーダーとしての地位を維持するために最善の努力をしています。

バフェット氏の強力な味方

ウォルマートを上回る株価上昇となったのが、デジタル金融サービス会社のアライ・フィナンシャルで、16日のプレマーケット取引で7%近く上昇しました。バフェット氏が同社株を買い増したことが株価を押し上げました。

バークシャー・ハサウェイが提出した四半期書類によると、同社は2022年第2四半期にアライ・フィナンシャルの持ち分を大幅に引き上げました。3月末時点で900万株未満だった保有株式は、6月末時点で3,000万株に増加しました。

アライ・フィナンシャルはさほど大手企業ではないため、バフェット氏が大量に株式を購入しても、バークシャー保有銘柄の上位半分にも入りません。しかし、バークシャーの持ち分はアライ・フィナンシャルの株式の9%超に相当し、持ち分が10%を超えると規制上の問題があることを考えると、バフェット氏はアライ・フィナンシャルの持ち分を、今の水準で維持すると思われます。

バフェット氏の動きは、銀行業界全体に対する信頼が高まっていることを示唆しています。アライ・フィナンシャルは金融サービスに対して多角的なアプローチを取っており、自動車ローン、保険、ブローカー業務といった高成長分野も手掛けていることから、今後数年間は好調が見込まれます。


免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アライ・フィナンシャルは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。元記事の筆者Dan Caplingerは、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の株式を保有しています。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイ(クラスB)およびウォルマートの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の200ドルコールのロング、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の200ドルプットのショート、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の265ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。