【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,980.32  ▼171.69 (8/17)
NASDAQ: 12,938.12  ▼164.43 (8/17)

1.概況

米国市場は景気敏感株やハイテク株を中心に利益確定の売りが出て下落となりました。122ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に323ドル安まで下落した後下げ渋るとFOMC議事要旨を受けて急速に持ち直しプラスに転じましたが、上値は重く9ドル高で伸び悩むと引けにかけて下げ幅を広げ結局171ドル安の33,980ドルで取引を終え6日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も164ポイント安の12,938ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米小売売上高は前月比変わらずとなりマイナスを見込んでいた市場予想を上回りました。6月の米企業在庫は前月比1.4%増となり市場予想と一致しています。また、7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では参加者がどこかの時点で利上げペースを落とすのが適切になると判断していたことが明らかになりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスが2%近く下落したほか、素材と一般消費財・サービスも1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%近く下落したほか、スリーエム(MMM)も2%近く下げています。一方でIBM(IBM)とアップル(AAPL)が1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が大幅な減益となったことでディスカウントストア大手のターゲット(TGT)が2%を上回る下落となりました。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も24日に予定する決算発表に併せて開示する8-10月期見通しが市場予想を下回る可能性があるとの指摘を受けて3%近く下げています。

また、他の半導体株も安くマイクロン・テクノロジー(MU)とテキサス・インスツルメンツ(TXN)が3%を上回る下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とウエスタンデジタル(WDC)も2%前後の下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い2.90%となりました。ドル円は円安に振れ135円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)