ついにボックス型のもち合いを上抜けて年初来高値に接近

前回のコラムでは「仮に5日移動平均線上を維持するようですと、ボックス型のもち合いの上限を突破して上昇が続くことが期待されます」と解説しました。

8月10日に5日移動平均線を下回る場面があったものの、5日移動平均線が上向きを維持していたことから、祝日明けの翌営業日となる8月12日には一気に5日移動平均線上を回復すると、そのままボックス型のもち合いを上抜けて終える結果となりました。

また、このとき窓をあけて大幅高で取引を終えており、明確に上抜けたことを示していると言えます。さらに休み明けの8月15日にも窓をあけて上昇して終えており、29,000円や1月5日と6日にあけた窓を埋めることも視野に入るのではないかと思われます。

一方で8月16日は上向きの5日移動平均線上を維持しているものの終値は高値より小幅な反落で終えており、今後の展開が気になるところです。

では、このまま29,000円台を終値で回復するのか、あるいは上昇が止まって反落に向かうのか、今後の展開について考えてみたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

新たな窓の発生と今後予想される展開について

今後年初来高値を更新するためには、上向きの5日移動平均線上を維持することが必要だと思われます。

また、8月10日に5日移動平均線を割り込んだときのように、仮にローソク足が5日移動平均線を割り込んだとしても、5日移動平均線が上向きを維持する必要があります。

このような条件をクリアするようですと、8月中にも終値で29,000円台を回復したり1月の窓を埋めて年初来高値を更新したりすることも視野に入りそうです。

ただ、ここで問題になるのは、今回発生した2つの窓の存在です。この2つの窓は、どの窓なのでしょうか。この窓がどの種類の窓なのかによって今後の値動きがある程度予想できるのではないかと思われます。

私は今回発生した2つの窓をコモンギャップ(=普通の窓)だと考えています。理由はチャートを見て分かる通り、過去の値幅の範囲内で発生しているからです。

そのため上昇が一服して5日移動平均線を下回って戻せなくなったり、5日移動平均線が下向きに変化したりするようですと、値幅を伴う下落が発生し、今回発生した2つの窓を一気に埋めることも考えられます。そのため、そのような場合には売り時を逃さないようにする必要があるのではないかと思われます。