5日移動平均線上を回復して6月の窓埋めを達成

前回のコラムでは、「200日移動平均線上を維持することが重要」と解説しました。また、「200日移動平均線上を維持することができれば、6月の窓を埋める可能性が残っている」とも解説しましたが、結果はどうだったのでしょうか。

解説した通り、株価は上昇に転じた後、5日移動平均線上を回復すると同時に5日移動平均線が上向きに変化してサポートになると、そのまま上昇を続けて28,000円台に乗せる結果となりました。

また、28,000円台を回復したことから、8月8日に、6月9日と10日の間にあけた窓を埋める結果となっています。ただ、6月にあけた窓を埋めたものの、ボックス型のもち合いの上限を一気に突破するような上昇にはなっておらず、窓埋め達成後の値動きに注意が必要な状況と言えます。

なぜなら、ボックス型のもち合いの上限で上昇が止まってしまうようですと、戻り売りに押されて5日移動平均線を割り込んだり、200日移動平均線辺りまで反落したりすることが考えられるからです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

ボックスの上限を突破できずに5日移動平均線を下回った場合は要注意

では今後の展開について考えてみたいと思います。上昇を続けてボックス型のもち合いの上限を突破するためには、どのような状況(チャートの形)になる必要があるのでしょうか。

まずは、上向きの5日移動平均線上を維持することが必要になります。仮に5日移動平均線上を維持するようですと、ボックス型のもち合いの上限を突破して上昇が続くことが期待されます。また、反落したときも5日移動平均線がサポートになることが考えられます。

一方で、5日移動平均線を割り込むと同時に戻せない状況が続き、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったりするようですと、200日移動平均線を割り込んだり、上向きの25日移動平均線辺りまで下落することが考えられますので、押し目買いは控えるか慎重に行う必要があるのではないかと思われます。

8月相場を考える上で、ボックスの上限を突破するのか押し返されるのか、重要な局面に差し掛かっていると考えられますので、売買は慎重に行うようにしたいところです。