5日移動平均線を割り込んだものの、高値圏でのもち合いは継続中
前回のコラムでは、「上昇が継続するシナリオ1と反落に向かうシナリオ2」について解説しました。また、この2つのシナリオの違いについて、「5日移動平均線上を回復して維持できるか、維持できないか」が重要だと解説しました。さて、結果はどうなったのでしょうか。
7月27日は5日移動平均線を下回ったままで推移していましたが、28日には5日移動平均線上を回復すると、その後は8月1日まで5日移動平均線上を維持し、28,000円に接近して終えていました。
ただ、8月2日には大幅安となり5日移動平均線を下回って終える結果となっているのが分かります。こうなりますと、6月9日と10日にあけた窓を埋めるのはむずかしいと考えてしまうかもしれませんが、実はまだ6月の窓を埋める可能性やボックス型のもち合いの上限を突破する可能性は残っています。
なぜなら、200日移動平均上を維持した状態で8月2日の取引を終えているからです。これまでグランビルの法則について解説しましたが、このまま下向きの200日移動平均線上を維持するようですと、少し時間はかかりますが、200日移動平均線が下向きから横ばいに変化することが考えられます。
また、200日移動平均線上を維持している間、25日移動平均線が上昇を続けることになり、75日移動平均線も上向きに変化して上昇してくることが期待されます。
そのため、直ぐに窓を埋めることができなくても200日移動平均線上を少しでも長く維持することが、上昇が継続するための重要なカギを握っていると考えられるのです。
6月の窓と7月の窓のどちらを埋めるのか
では今後の展開についてですが、上昇が継続するためには200日移動平均線上を維持すると同時に、もう一度5日移動平均線上を回復する必要があります。
なぜなら、5日移動平均線上を回復すると、5日移動平均線が上向きに変化してサポートになることが考えられるためです。
そうなれば株価水準が切り上がると同時に、窓を埋めることにつながると考えられます。またボックス型のもち合いの上限に接近して突破することも視野に入りそうです。
その一方、5日移動平均線上を回復しても維持できなかったり、割り込んだまま戻せなかったりするようですと、200日移動平均線上を維持できずに下回ることが考えられます。
その場合、7月19日と20日にあけた窓を埋めることが予想されますので、売りそびれや高値掴みにならないよう注意が必要です。