【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,774.41 ▼58.13 (8/9)
NASDAQ: 12,493.93 ▼150.53 (8/9)
1.概況
米国市場は前日のエヌビディア(NVDA)に続いてマイクロン・テクノロジー(MU)も売上高見通しを引き下げるなど半導体大手の業績下方修正が続いたことでハイテク株が売られ下落となりました。25ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に44ドル高まで上昇する一方で昼前に129ドル安まで下落するなど一進一退の展開となりましたが、午後に入って売りが優勢になると軟調に推移し結局58ドル安の32,774ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も150ポイント安の12,493ポイントとなり3日続落となっています。
2.経済指標等
4-6月期の米労働生産性指数速報値は年率換算で前期比4.6%低下しましたが市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%以上下落しました。一方で4業種が上げ、エネルギーと公益事業が1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
マイクロン・テクノロジーが6-8月期の売上高見通しを下方修正したことで3%を超える下落となりました。他の半導体株にも売りが波及しアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%以上下げ、エヌビディアも4%近く下落しました。クアルコム(QCOM)も3%を超える下げとなり、インテル(INTC)やテキサス・インスツルメンツ(TXN)、ウエスタンデジタル(WDC)も2%以上下落しています。また、マイクロン・テクノロジーが売上高予想の下方修正に併せて、通期の前工程の設備投資額を大幅に減らす方針を示したことで半導体製造装置関連株も安くアプライドマテリアルズ(AMAT)とKLA(KLAC)、ラムリサーチ(LRCX)が7%を上回る下げとなっています。
さらに決算が市場予想を下回ったことでクルーズ船大手のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が10%余り下落したほか、他のクルーズ船大手も安くカーニバル(CCL)とロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も5%以上下げています。一方でディフェンシブ株が買われ保険のトラベラーズ(TRV)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比0.03%高い2.78%となりました。ドル円は135円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。今晩に7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)