新たな窓が発生し、一気に窓を埋めるも上昇一服か

前回のコラムでは、三角もち合いを上放れることができるどうかで、6月にあけた窓を埋める可能性があると解説しました。

その結果を見ますと、新たな窓が発生すると同時に値幅を伴う上昇が発生し、6月2日と3日の間にあけた窓と、6月10日と13日の間にあけた窓を埋める結果となりました。

ただ、6月9日と10日の間にあけた窓には届いていないまま上昇が一服していることが分かります。あと少し上昇が続けば6月9日と10日の間にあけた窓を埋めることができたわけですが、この状態はどのように考えれば良いのでしょうか。

見方は2つあります。シナリオ1は、上昇が一服したのは一時的で、再び上昇に向かうという考え方です。そしてシナリオ2は、このまま上昇から下落に向かい、今回あけた窓を埋めることが考えられるということです。

では、どちらの値動きになるかを考える前に、今回新たに発生した窓はどの窓になるのか考えたいと思います。

今回発生した窓は、コモンギャップ(=普通の窓)だと思います。なぜなら、三角もち合いの上限をブレイクして発生していますが、過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップではないかと考えられるためです。

そうなると、今後の展開についても前述の2つのシナリオと合わせて予想が立てられるのではないでしょうか。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

2つのシナリオと窓埋めで8月相場を予想する

では、上昇が継続するシナリオ1と反落に向かうシナリオ2との判断の差はどこにあるのでしょうか。

それは、「5日移動平均線上を回復して維持できるか、維持できないか」になると思われます。仮に上向きの5日移動平均線上を回復して維持するようですと、上昇トレンドが継続して6月9日と10日にあけた窓を埋めたり、大きなボックス型のもち合いの上限を突破したりすることも視野に入ります。

その反面、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだまま戻せなかったり、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったりするようですと、売り圧力が強まって、今回発生した7月19日と20日の間にあけた窓を埋めることも考えられ、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにする必要がありそうです。

ただ、下落して窓を埋めたとしても、横ばいの75日移動平均線や上向きの25日移動平均線がサポートになることが考えられるのではないかと思われます。

8月相場を考える上で、シナリオ1になれば、日経平均株価は28,000円を上回ることが期待される反面、シナリオ2になってしまうようですと、ボックス型のもち合いが継続することになるのではないかと考えられます。そのため、8月相場を考える上で重要な週になるのではないかと思われます。