日経平均の調整局面に注目
日経平均は27,000円を上限とした下値固めから、上方に抜け出す展開となりました。7月20日は大きな窓を開けて大幅高となり、200日移動平均線(以下、200日線)を一気に上抜ける陽線を形成し、7月21日、22日も連続陽線で200日線上を保ちました。
しかし、週明けの7月25日は反落。米国株の下げはあったにせよ、200日線が依然として下向きに推移し続けていることや、先週末時点の「放れ三手(窓開けに続き小さく新値が続く)」の後に反落するケースはよくあることでもあります。
調整が続く場合でも、27,000円付近までの揺り戻しは想定内であり、その先の動きが今後重要になってきます。3月や6月も同様、200日線に下から突っかけるも、その後は26,000円割れまで値幅調整を強いられました。今回も同じパターンになるなら、一旦売りを持つべきなのでしょう。
7ヶ月ぶりにプラスに転じるか
一方、月足の分析では、7月は3月や6月とは事情が違うようです。今回はモメンタムというテクニカル指標に注目しました。
モメンタムとは「勢い」を意味し、過去の終値に対する現在の騰落幅を計算します(現在値-過去の終値)。株価の上昇局面では、基本的にはモメンタムが増大します。反対に、株価の下降局面では、基本的にはモメンタムは減少します。
モメンタムがマイナスからプラスに転じるときは、下降トレンドから上昇トレンドに転じるときであり、買いサインと判断します。逆に、モメンタムがプラスからマイナスに転じるときは、売りサインです。
7月の日経平均は7月25日現在、12ヶ月ベースのモメンタムが415円と、2021年12月以来久しぶりにプラスに転じています。ちなみに、2021年12月の1,347円のプラスを最後にマイナスに転じ、1月-661円、2月-2,439円、3月-1,357円、4月-1,964円、5月-1,580円、6月-1,580円と続きました。
7月29日の終値が27,284円以上ならプラスで終えることができます。8月は28,090円以上、9月は29,453円以上で終えることがプラス圏を維持するポイントになりますが、まずは7ヶ月ぶりにプラスに転じることができるか注目です。