東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。173円高の26,280円で寄り付いた日経平均は直後に225円高の26,333円まで上昇した後伸び悩むと10時40分に29円高の26,136円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し11時20分過ぎに231円高の26,339円まで上昇し191円高の26,298円で前場を終えました。

一段高となり384円高の26,492円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに413円高の26,520円まで上昇した後13時40分前に291円高の26,398円までやや弱含みましたが、再び上げ幅を広げ14時20分前に426円高の26,533円まで上昇すると結局382円高の26,490円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

イオン(8267)が11.0%高となりました。構造改革を進めた主力の総合スーパー(GMS)事業が第1四半期として9年ぶりの黒字に転換したこともあって第1四半期の営業利益が前年同期比で12.0%増となり同期間として過去最高となったことで大幅高となりました。総菜製造などのわらべや日洋ホールディングス(2918)も23.6%上昇しストップ高となりました。新型コロナウイルス禍の外出制限が緩和されたことを受けコンビニエンスストア向けの食品製造を請け負う食品関連事業が回復したことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で25.0%増と大幅な増益となったことで買いを集めました。

ヤフーやLINEを傘下に持つZホールディングス(4689)も4.0%高となりました。Yahoo!ショッピングとPayPayモールを10月に統合すると伝わったことでグループ内の連携強化を評価する買いが入りました。ブイキューブ(3681)も一時17.6%高となり年初来高値を更新しました。シンガポールのEV充電サービス関連の事業をおこなう企業へ現地子会社を通じて出資を行い、シンガポールを中心とした東南アジアにおける事業展開の支援を行うとともに、国内における事業展開の検討・準備を開始すると発表したことが材料視されました。

また、目標株価の引き上げを受けて買われたのがヤクルト本社(2267)と中古車販売のネクステージ(3186)で、ヤクルト本社が3.5%高となり年初来高値を更新したほか、ネクステージも4.4%高となりました。一方で新型コロナウイルスの感染拡大傾向を受け外食が手控えられるとの懸念が広がりロイヤルホールディングス(8179)が8.7%安となったうえ、サイゼリヤ(7581)も5.9%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は382円高となりました。米FOMC議事要旨に新たな材料が乏しかったことでタカ派的な内容を警戒していた投資家が買いを入れ昨日の米国市場が小幅に上昇となったことで買いが優勢となりました。朝方の買い一巡後に伸び悩む場面もありましたが、マイナスになることなく踏み止まり持ち直すと、米株価指数先物が上昇に転じたこともあって後場に一段高となり節目の26,500円を小幅に上回る場面もありました。明日は米雇用統計の発表を控え様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで本日の堅調な地合いを維持し26,500円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の決算発表が続いていますが本日も引け後にセブン&アイ・ホールディングス(3382)やオンワードホールディングス(8016)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や5月の米貿易収支が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)