東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続落となりました。51円安の26,753円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に下げ幅を広げると11時前に295円安の26,509円まで下落し243円安の26,561円で前場を終えました。267円安の26,536円でスタートした後場の日経平均は一段安となり14時40分過ぎに480円安の26,324円まで下落すると結局411円安の26,393円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

サンリオ(8136)が13.8%高となり年初来高値を更新しました。中国のアリババ集団のグループ企業であるアリフィッシュと中国大陸におけるマスターライセンス契約を締結すると発表したことでアリフィッシュから受け取るロイヤルティー収入を期待した買いが入りました。レオパレス21(8848)も5.9%高となりました。有価証券報告書で2022年3月末に債務超過が解消されたことが確認されたとして東証がレオパレス21を上場廃止の猶予期間から解除すると発表したことで大幅高となりました。アパレル大手の三陽商会(8011)も一時10.7%高となり年初来高値を更新しました。政府のまん延防止等重点措置が解かれたことで客足が回復したことから第1四半期の営業損益が5億円余りの黒字に転換したことを好感した買いが入りました。

また、東証スタンダード市場ではシダックス(4837)が17.0%上昇しストップ高となりました。オイシックス・ラ・大地(3182)がシダックス株を取得し給食事業などで業務提携の検討を加速すると発表したことで収益の改善を期待する買いが膨らみました。オイシックス・ラ・大地も一時9.5%高まで上昇する場面がありました。

一方で昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超す下落となったことから半導体製造装置関連銘柄が安く、東京エレクトロン(8035)が4.1%安、SCREENホールディングス(7735)が5.4%安、レーザーテック(6920)が3.6%安、アドバンテスト(6857)が3.7%安となり、東京エレクトロンとSCREENホールディングスは年初来安値を更新しています。さらに東証スタンダード市場ではバイク王&カンパニー(3377)が9.0%安となりました。新型コロナウイルス禍で密を避けられるレジャーとしてバイクブームが追い風となり販売が好調だったことなどで通期の営業利益の見通しを引き上げましたが、小幅な修正に止まったことが失望となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は411円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから売りが優勢となりました。前場は一目均衡表の雲の下限(26,510円)をサポートに節目の26,500円を前に下げ渋りましたが、後場に一段安になると一目均衡表の雲の下限や26,500円を割り込んでしまいました。そのため下値への警戒感がやや意識されそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表が続いていますが本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)や高島屋(8233)などが決算を発表する予定です。

また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や5月の米個人所得と個人消費支出(PCE)が発表されるほか、22時45分には6月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表される予定です。さらに明日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)