5日移動平均線上を回復し、ついに25日と75日移動平均線を上回る
前回のコラムでは、「今後、新たに発生した窓を埋めたり、反発が継続したりするために重要なポイントは、日経平均株価が5日移動平均線上を維持できるかになると私は考えています。なぜなら、5日移動平均線上を維持するようですと、5日移動平均線が上向きに変化して、短期的なトレンドの転換が期待できるからです」と解説しました。
実際には、先週6月21日に下向きの5日移動平均線上を上回ると、上値は重たかったもののその後も5日移動平均線上を維持したことに加え、週末6月24日の上昇で5日移動平均線が上向きに変化する結果となりました。
また、休み明けの6月27日には新たな窓が発生した後、翌28日にはついに75日移動平均線と接近する25日移動平均線の両方を上回って終える結果となっているのが分かります。
このように、5日移動平均線上を維持することができれば、5日移動平均線が上向きに変化することが予想できたと同時に、株価水準についてもどの辺りまで反発するのかの目途をつけることができます。
新たに発生した窓の種類とは?
そのような中、6月24日と27日の間に新たな窓が発生していますが、私はこれをコモンギャップ(=普通の窓)だと考えています。理由は、過去の値幅の範囲内で発生しているからです。
そのため、25日移動平均線上を維持できずに割り込んでしまうようですと、埋められてしまうことが考えられ、高値掴みにならないよう注意すると同時に買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにする必要があると思われます。
では今後の展開についてですが、グランビルの法則では、横ばいか上向きの移動平均線を株価が上回ってくると買いシグナルとされていますが、今回はまさにそのような状況になっているのではないかと思われます。
今後予想される展開
次に、これから移動平均線と株価がどのような状況になれば、日経平均28,000円台まで反発が続くことになるか考えてみたいと思います。
そこで注目されるのは、やはり5日移動平均線上を維持できるかになるのではないかと思われます。仮に25日移動平均線と75日移動平均線を下回ったとしても、上向きの5日移動平均線上を維持するようだと、5日移動平均線がサポートになります。また、それと同時に5日移動平均線が25日移動平均線と75日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生することも視野に入るのではないかと思われます。
そうなれば、6月9日から13日までの間にあけた2つの窓を埋めて、28,000円を終値で回復することが期待できそうです。
一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、5日移動平均線が下向きに変化したりするようですと、6月24日と27日にあけた窓を埋めたり、6月20日の安値を下回って3月15日と16日の間にあけた窓を埋めることも視野に入ってくると思われます。
このところの日経平均株価は上下に大きく変動しておりボラティリティ(変動率)が高くなっているため、利益が多くなる反面、損失も大きくなることが考えられます。そのため、高値掴みにならないよう注意し、5日移動平均線を割り込んだ場面では、利益確定を優先させるようにしたいところです。