今週(6月17日~6月23日)の相場動向

相場回顧 BTC:暗号資産関連企業の出金停止が相次ぎ売り継続、BTC=20000ドル付近では底堅い

ビットコインは米国のセルシウス、香港のバベル・ファイナンスなど暗号資産レンディングサービスにおける出金停止が相次ぎ売りが継続した。ソラナブロックチェーン上のレンディングサービスであるソレンドにおいても大口ポジションの清算懸念が高まり、19日にビットコインは一時BTC=243万円(18000ドル)を割り込んだ。その後は割安感から買い戻しが強まり、これまで節目として意識されてきたBTC=270万円(20000ドル)を回復した。バベル・ファイナンスが一部債務について返済猶予を確保し、経営状況が危ぶまれていたブロックファイがFTXから緊急融資を受けたことで暗号資産関連企業に対する破綻懸念が和らいだ。休場明けの米国株も買い優勢となるなかBTC=290万円(21500ドル)付近まで価格を伸ばした。しかし、米マイニング企業ビットファームズによるビットコイン売却もあって上値は重く、22日のパウエルFRB議長の議会証言では景気後退懸念が改めて意識され、米国株とともに再び売りが強まった。

 

来週(6月24日~6月30日)の相場予想

BTCは調整局面ながら底打ちの思惑で一時的に買い戻しが強まることも

金融市場では欧米を中心とする歴史的なインフレ状況と景気後退懸念が引き続き相場の重しとなっている。米長期金利の上昇が一服したことで米国株とともにビットコインは下げ止まっており、底打ちの思惑から一時的に買い戻しが強まることも考えられるだろう。また、来週は米5月個人消費支出の発表があり、個人消費の堅調さが確認できれば、景気後退懸念の後退にともなって買い優勢になる可能性もある。しかし、ロシア-ウクライナ間戦争が長期化し、中国コロナ政策の活動制限リスクが残るなか、調整局面からの脱却はまだ難しい状況にある。

暗号資産市場ではセルシウスやスリーアロウズキャピタルなどの破綻懸念がまだ拭えない状況にある。しかし、ブロックファイなど一部の暗号資産関連企業では外部調達によって救済を得るところもあり、こうした企業の経営状況の立て直しとともに相場が回復に向かうことは考えられるだろう。ユニスワップやビットゴーがNFT取引に対応するなどNFT関連ではポジティブな動きもみられる。

直近上値としてはBTC=310万円(23000ドル)、下値としてはBTC=243万円(18000ドル)を意識する。