【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,910.90  ▼269.24 (6/8)
NASDAQ: 12,086.27  ▼88.96 (6/8)

1.概況

米国市場は金融株に売りが出て3日ぶりに反落となりました。93ドル安でスタートしたダウ平均は直後に250ドル安程度まで下落した後持ち直すと昼過ぎに23ドル安まで下げ幅を縮めましたが、戻し切れないと再び下げ幅を広げ取引終盤には355ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局269ドル安の32,910ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も88ポイント安の12,086ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米卸売在庫は前月比2.2%増となり市場予想を上回りました。また、4月の米卸売売上高は前月比0.7%増となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも不動産と素材が2%を超える下落となり、公益事業と資本財・サービス、金融も2%近く下げています。

4.個別銘柄動向

欧州の金融大手のクレディ・スイスが4-6月期に赤字転落するとの見通しを発表したことで金融株が軟調で、ゴールドマン・サックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)が2%以上下げたほか、JPモルガン・チェース(JPM)とバンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティーグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)も1%を超える下落となりました。また、アナリストが業績見通しを引き下げたことでインテル(INTC)が5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。他の半導体株も安くウエスタンデジタル(WDC)が4%余り下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)も3%を超える下落となっています。

さらに住宅ローンの申請規模を示す指数が22年ぶりの低水準となったことで住宅建設大手のDRホートン(DHI)やレナー(LEN)が売られ、DRホートンが3%以上下げ、レナーも2%を超える下落となりました。クルーズ船のカーニバル(CCL)やロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)もアナリストの慎重見通し相次いだことで安く、カーニバルが6%余り下げ、ロイヤル・カリビアン・クルーズも5%以上下落しています。

一方で動画配信のネットフリックス(NFLX)が買収する可能性があると伝わったことで動画配信機器のロク(ROKU)が9%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い3.02%となりました。ドル円はさらに円安となり2002年2月以来20年4ヶ月ぶりに134円台を付け134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が円安などを支えに下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)