東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに小幅反落となりました。51円安の27,318円で寄り付いた日経平均は直後にプラスに転じると9時10分過ぎに93円高の27,463円まで上昇しましたが、節目の27,500円を前に伸び悩むと再びマイナスとなり10時10分に118円安の27,250円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し34円高の27,404円で前場を終えました。2円高の27,371円でスタートした後場の日経平均は直後に15円高の27,385円まで上昇した後マイナスに転じ14時40分過ぎに109円安の27,260円まで下落すると結局89円安の27,279円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
WTIの原油先物価格がおよそ2ヶ月半ぶりの高値を付けたことで石油関連株が高くINPEX(1605)が6.2%高となり年初来高値を更新したほか、コスモエネルギーホールディングス(5021)が2.2%高、出光興産(5019)も一時2.3%高となりました。SUBARU(7270)も4.5%高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国・上海の外出制限で部品の調達が滞ったことで自動車大手の4月の世界生産が前年に比べて落ち込むなかSUBARUの4月の世界生産が前年同月比63.3%増の7万762台と大きく伸びたことで大幅高となりました。歯科材料・機器大手の松風(7979)も10.5%高となりました。政府が6月にも決定する骨太の方針で国民皆歯科健診の導入を検討していると伝わったことで買いを集めました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがフジクラ(5803)やミネベアミツミ(6479)で、フジクラは目標株価の引き上げを受けて3.9%高となり年初来高値を更新したうえ、ミネベアミツミも投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.9%高となりました。一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けてDMG森精機(6141)とTHK(6481)が売られ、DMG森精機が4.2%安、THKも4.6%安となりました。永谷園ホールディングス(2899)も一時3.7%安となりました。2022年3月期の純利益が会社計画を大幅に上回ったことで増配への期待が高まるなか2022年3月期の期末配当を従来予想通りの1株当たり15円50銭にすると発表したことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は89円安となりました。昨日の米国市場がメモリアルデーの祝日で休場となるなか昨日に600円近く上げた反動で売りが優勢となりました。小幅な下落に止まり下げ渋ったことから大幅高となった昨日の堅調な地合いは維持しているといえそうで明日以降の展開に期待したいところですが、節目の27,000円を上回ると押し戻される展開が続いているだけに引き続き27,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時45分には5月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されるほか、23時には5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)