東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。36円安の26,711円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分で170円安の26,578円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと11時過ぎに5円安の26,742円まで戻し35円安の26,713円で前場を終えました。15円安の26,732円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後にプラスに転じると13時前に47円高の26,795円まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり結局70円安の26,677円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日東紡績(3110)や飯田グループホールディングス(3291)が自社株買いを発表し買われました。日東紡績は自己株式を除く発行済み株式総数の7.0%にあたる273万株と50億円を上限とする自社株買いを発表したことで11.2%高となり、飯田グループホールディングスも自己株式を除く発行済み株式総数の2.77%にあたる800万株と200億円を上限とする自社株買いを発表したことで一時4.1%高となりました。東芝(6502)も一時3.3%高となりました。官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)が買収を検討していることが分かったと伝わったことで後場に上げ幅を広げる場面がありました。キリンホールディングス(2503)も一時2.4%高となりました。傘下のキリンビールがビールや缶チューハイなどの酒類278品目を値上げすると発表したことで採算改善を期待した買いが入りました。中国電力(9504)も4.9%高となりました。島根原発2号機の再稼働について島根県知事が同意する意向を固めたと伝わったことで大幅高となりました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが東レ(3402)やルネサスエレクトロニクス(6723)で、東レは投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.9%高となり、ルネサスエレクトロニクスも目標株価の引き上げを受けて一時3.1%高となりました。

一方でリース大手の東京センチュリー(8439)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.2%安となりました。グロース市場では電子商取引(EC)サイトの構築を支援するBASE(4477)が5.4%安となりました。ECサイトの構築を支援するフランスのユニコーン企業が日本市場に参入すると伝わったことで競争激化を懸念する売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は70円安となりました。昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅安となり年初来安値を更新したことで売りが優勢となりました。しかし、朝方の売り一巡後に持ち直すと後場に入って一時プラスとなる場面もみられました。ナスダック総合株価指数が大きく下落するなかで下げ渋ったことから明日以降の切り返しに期待したいところですが、仮に買いが優勢となった場合には上値抵抗線として意識されやすい25日移動平均線(26,706円)や75日移動平均線(26,817円)、一目均衡表の雲の上限(26,893円)などを超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には4月の米耐久財受注額が発表されるほか、26日の午前3時には5月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。また、25日の米国では画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)