【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,654.59  △431.17 (5/17)
NASDAQ: 11,984.52  △321.73 (5/17)

1.概況

米国市場は堅調な米小売売上高を受けて消費関連株やハイテク株などに買いが入り上昇しました。203ドル高でスタートしたダウ平均は直後に390ドル高近くまで上昇した後伸び悩むと昼前に84ドル高まで一旦上げ幅を縮めましたが、午後に入って持ち直すと取引終盤には465ドル高まで上げ幅を広げました。結局ダウ平均は431ドル高の32,654ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も321ポイント高の11,984ポイントと反発しています。

2.経済指標等

4月の米小売売上高は前月比0.9%増となり市場予想と一致しました。また、4月の米鉱工業生産は前月比1.1%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も79.0%と前月から上昇し市場予想を上回りました。3月の米企業在庫も前月比2.0%増となり市場予想を上回っています。一方で5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は69と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術と素材が3%近く上昇し、一般消費財・サービスと金融、資本財・サービスも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が6%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とJPモルガン・チェース(JPM)、ウォルト・ディズニー(DIS)、シスコシステムズ(CSCO)、ゴールドマン・サックス(GS)、ビザ(V)、インテル(INTC)も3%以上上げています。一方で決算が減益となり通期の1株利益の見通しを引き下げたウォルマート(WMT)が11%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株の上昇が目立ち投資判断の引き上げを受けてアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が8%以上上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)とエヌビディア(NVDA)、ウエスタンデジタル(WDC)も5%を上回る上昇となっています。クアルコム(QCOM)も4%以上上げ、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も4%近く上昇しています。また、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK)がこの1-3月期に5500万株を購入したことが明らかになったことでシティグループ(C)が7%を超える上昇となっています。さらに旅客需要の見通しを上方修正したことでユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も8%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い2.98%となりました。ドル円は129円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で26,832円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。また、寄り付き前の8時50分に1-3月期の国内総生産(GDP)速報値が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)