投資や仕事というのは、遊びとは対極的な存在というのが今までの一般常識でした。
前者はどちらも苦労して結果を出そうと努力するもの。後者は、気持ちよく楽しい時間です。
私が社会人になりたての1980年代の頃の仕事といえば、毎朝通勤電車に乗って会社に行き、朝から夕方まで自分の机に座ってやるものでした。
やりがいを感じる時もありますが、いつも楽しいというわけでもなく、どちらかといえば早く仕事を終わらせて、自分の好きなことをやりたいと考える方が多かったように思います。
投資や仕事に対する意識が大きく変わってきた
しかし、最近は仕事に対する意識がかなり変わりました。例えば、ユーチューバーのように、遊ぶように仕事をするスタイルが、珍しくなくなってきました。
そもそもオフィスに全員が決まった時間に集まり、一緒に仕事をするというスタイルは、工場などでの大量生産時代の名残とも考えられます。
ベルトコンベヤーを用いて分業体制で仕事をする場合、1つの場所に同じ時間に集まらなければ、効率的に仕事ができなかったからです。
今や、インターネットによってオフィスのような場所に常に集まることは必ずしも必要なくなりました。
必要な時だけ顔を合わせ、それ以外は各々が自分の与えられた仕事を各自で進める。その方が、より生産性を上げられるようになりました。その流れが一気に広がったのがコロナ禍です。在宅勤務が広がり、仕事とプライベートの境界線が曖昧になっていく。この傾向は、これからも大きく変わる事はないと思います。
投資の世界でも、仕事と同じように従来の固定観念が大きく変わりつつあります。
投資とはパソコンに向かってしかめっ面で分析したり、売買をしたりするものだけではなく、遊びの要素が入るようになってきたのです。
歩くことが収益になる「Move to Earn」
最近、私が始めた新しい投資は「Move to Earn」と呼ばれる、歩いて稼ぐ投資です。
これは、ネット上で購入できるNFTスニーカー(仮想の靴)を使って、リアルで運動することで、投資の成果が得られるアプリです。
始めるためには、NFTスニーカーを購入するための暗号資産を手に入れる必要があります。
私も早速始めてみましたが、歩けばGSTと呼ばれる暗号資産が稼げます。
わずか15分ほど歩いただけで、GSTと呼ばれる暗号資産を8GSTもらえました。(正確には14分45秒で8.57GSTです)。1GSTの取引価格が600~700円ですから、15分で約5,000円が得られたことになります。ざっくり時給2万円ということになります。
もちろんマーケット環境によって、得られる収益は変わってきます。また、この仕組みがこれからも維持されるかどうかは不確実です。
とはいえ、運動したり遊んだりすることが収益につながるというのは、従来の投資の発想からは考えられません。そして、この手の似たようなサービスが次々と登場しています。
投資、仕事と遊びの境界線が消えていく
これから予想されることは、今後、更に投資と仕事、遊びの境界線が曖昧になって、クロスオーバーしていく傾向が強まるということです。
投資に関しては、従来の株式、債券、投資信託、不動産といった伝統的な投資対象だけではなく、新たな投資対象が生まれてくることになります。
例えば、今まではキワモノ扱いされていた、現代アート、ウイスキー、トレーディングカードなど、新しい投資領域にも資金が流入し、マーケットが確立されていきます。個人投資家としては、幅広い投資対象に視点を広げていくことが必要となります。
そのような変化に対応するために必要なことは、新しいことに対する好奇心、未知のものに対してリスクを取るチャレンジ精神、そして既成概念にとらわれず、新たな価値観を受け入れる柔軟性です。
投資にも仕事にも、大きなパラダイムシフトが始まっていることを認識しておくべきでしょう。