【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  33,301.93   △61.75  ( 4/27 )
NASDAQ:  12,488.93   ▼1.81  ( 4/27 )

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は好決算を発表した銘柄が買われ反発しましたが、決算が市場予想を下回ったアルファベット(GOOGL)など主力ハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数は続落となりました。

210ドル高でスタートしたダウ平均は上げ幅を縮めマイナスに転じると朝方に131ドル安まで下落しましたが、下げ渋るとプラスとなり昼過ぎには457ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮めると結局61ドル高の33,301ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も8ポイント高の4,183ポイントとなっています。

一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は1ポイント安の12,488ポイントとなり前日に続いて年初来安値を更新しています。

2.経済指標等

3月の中古住宅販売仮契約指数は前月比1.2%低下の103.7となりましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや不動産、公益事業など6業種が下げ、コミュニケーション・サービスは2%を超える下落となりました。一方で5業種が上げ、素材とエネルギー、情報技術が1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回ったビザ(V)が6%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、同じく決算が市場予想を上回ったマイクロソフト(MSFT)も5%近く上げダウ平均構成銘柄でビザに次ぐ上昇率となりました。また、取引終了後に決算を発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)は売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。

一方でボーイング(BA)が決算で売上高が市場予想を下回ったことに加え、次世代大型機の納入開始時期の先送りを発表したこともあって7%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。グーグルの持ち株会社であるアルファベットも決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで3%を超える下落となりました。さらに他の主力ハイテク株も下落が目立ち動画配信のネットフリックス(NFLX)が5%近く下落し、アマゾン・ドット・コム(AMZN)やアップル(AAPL)も小幅に下げています。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も3%以上下げましたが、取引終了後に発表した決算で1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で急伸となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.11%高い2.83%となりました。ドル円は円安に振れ128円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反発となったことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の下限(26,467円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で、政策金利の先行き指針(フォワードガイダンス)や長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)などに変更があるかが注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)