【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,160.79 △249.59 (4/20)
NASDAQ: 13,453.07 ▼166.59 (4/20)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われ続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は動画配信のネットフリックス(NFLX)の急落が重石となり反落となりました。51ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げ午後に一時404ドル高まで上昇するなど一日を通して堅調に推移すると結局249ドル高の35,160ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の4,459ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も166ポイント安の13,453ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.7%減の577万戸となり市場予想を下回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は2月中旬以降の経済活動が穏やかなペースで拡大したと総括し、緩やかから穏やかなペースで拡大したとした前回からやや表現を強めています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、不動産が2%近く上昇したほか、生活必需品とヘルスケアも1%以上上げています。一方で3業種が下げ、コミュニケーション・サービスが4%余り下落し、一般消費財・サービスも1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ネットフリックスが決算で世界の有料契約者数が減少に転じたことで急落し35%余り下落しました。同じく動画配信を手掛けるウォルト・ディズニー(DIS)も5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。また、ハイテク株の下落が目立ちフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)が7%を超える下げとなり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上下落しています。半導体株の一角も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が3%を上回る下落となっています。
一方で決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったIBM(IBM)が7%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。市場予想を上回る増収増益決算を発表したプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も2%以上上げダウ平均構成銘柄でIBMに次ぐ上昇率となっています。さらにオランダの半導体製造装置大手のASMLホールディング(ASML)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで3%近く上げています。電気自動車のテスラ(TSLA)は5%近く下落しましたが、取引終了後に発表した決算で1-3月期の純利益が四半期として過去最高となり、1株利益も市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%低い2.83%となりました。ドル円は円高に振れ127円90銭台で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で27,299円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)