【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,220.36  ▼87.72 (4/12)
NASDAQ: 13,371.57  ▼40.38 (4/12)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの警戒感が根強く小幅に下落となりました。CPIでコア指数の伸び率が市場予想を下回ったことで買いが先行し104ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に361ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むとブレイナードFRB理事がインフレの抑制がFRBの最も重要な仕事だと述べたと伝わったことで取引終盤にマイナスに転じました。一時206ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮めたものの結局87ドル安の34,220ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント安の13,371ポイントとなり3日続落となりました。

2.経済指標等

3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇し1981年12月以来40年3カ月ぶりの伸びとなり市場予想も上回りました。一方で変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比6.5%上昇に止まり市場予想を下回りました。また、3月の米財政収支は1926億ドルの赤字となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やヘルスケア、コミュニケーション・サービスなどの7業種が下げ、金融は1%余り下落しています。一方でエネルギーや公益事業などの4業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ(CSCO)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて2%安となり下落率トップとなりました。また、ビザ(V)とメルク(MRK)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、マイクロソフト(MSFT)、JPモルガン・チェース(JPM)、スリーエム(MMM)も1%以上下げています。一方でダウ(DOW)が2%以上上げ上昇率トップとなり、原油高を受けてシェブロン(CVX)も2%余り上げています。コカ・コーラ(KO)とアップル(AAPL)も1%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ITのヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が投資判断の引き下げを嫌気して2%を超える下落となりました。情報セキュリティー対策サービスのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利はCPIのコア指数が市場予想を下回ったことで0.06%低い2.72%となりました。ドル円は125円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅な下げに止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に大幅な下落となった日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)