【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,496.51  ▼144.67 (4/6)
NASDAQ: 13,888.82  ▼315.35 (4/6)

1.概況

米国市場はFOMC議事要旨を受けて米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極化するとの観測が強まりハイテク株に売りが出て続落となりました。120ドル安でスタートしたダウ平均は午後に入り364ドル安まで下落した後取引終盤に31ドル安まで持ち直す場面もありましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局144ドル安の34,496ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も315ポイント安の13,888ポイントとなり2%を超える下落となっています。

2.経済指標等

3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では5月にも始める資産圧縮について月950億ドルの削減が適切だとの見方でおおむね合意していたことが分かり、月100億ドルでスタートし段階的に500億ドルに増やした2017-2019年の前回を大幅に上回るペースになりそうであることが判明しました。また、インフレ圧力が強まれば1回かそれ以上の回数にわたり0.5%の利上げが適切になるとみていることも明らかとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術、コミュニケーション・サービスが2%以上下落し、素材も1%余り下げています。一方で5業種が上げ、公益事業が2%近く上昇したほか、不動産とヘルスケア、生活必需品も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ウォルマート(WMT)、アムジェン(AMGN)が2%以上上げました。一方でハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が4%以上下げたほか、マイクロソフト(MSFT)も3%を超える下落となりました。ビザ(V)も3%以上下げ、ナイキ(NKE)とダウ(DOW)も3%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外でもハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が4%余り下落し、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)、動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%以上下げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%近く下落しています。また、半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が6%近く下げ、クアルコム(QCOM)も4%を上回る下げとなりました。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い2.60%となりました。ドル円は123円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)