東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発しました。229円高の28,173円で寄り付いた日経平均は9時20分前に120円高の28,063円まで上げ幅を縮めた後切り返し10時40分に283円高の28,227円まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮め166円高の28,110円で前場を終えました。152円高の28,096円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに121円高の28,065円まで上げ幅を縮めましたが、その後徐々に戻すなか引けにかけて一段高になると308円高の28,252円と高値引けで取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3.7%高となっています。
2.個別銘柄等
セブン&アイ・ホールディングス(3382)が4.1%高となりました。海外コンビニ事業の拡大や経営の透明度を高め海外投資家の理解を得やすくするために取締役の過半を社外取締役にする方針を固めたと伝わったことが好感されました。あすか製薬ホールディングス(4886)も11.2%高となりました。動物用医薬品事業で飼料添加物などの販売が堅調に推移したほか、高血圧症治療の後発薬の需要が想定を上回ったことなどから通期の営業利益の見通しを35億円から45億円に上方修正したことで買いを集めました。さらに安藤・間(1719)が自己株式を除く発行済株式総数の9.97%に当たる1700万株と100億円を上限とする自社株買いを発表したことで後場に後場に上げ幅を広げ5.8%高となっています。
一方で北陸電力(9505)が一時3.6%安となりました。足元の渇水による水力発電量の減少やウクライナ情勢の緊迫化に伴う卸電力取引所での電力価格高騰などが響き通期の営業損益の見通しを30億円の黒字から200億円の赤字に下方修正したことが嫌気されました。石油資源開発(1662)も原油価格の下落を受けて6.7%安となったほか、石油元売り大手のENEOSホールディングス(5020)も2.1%安となりました。また、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことでJT(2914)が一時2.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は308円高となりました。昨日の米国市場が原油価格の下落を受けてインフレ懸念が後退し上昇したことに加え、円安基調ということもあって買いが優勢となりました。伸び悩む場面もありましたが機関投資家の配当再投資の買いが入り引けにかけて一段高となりました。高値引けとなったことで明日以降の展開に期待が高まりますが、権利落ち日となる明日は230円程度とみられる配当落ちをどれだけ埋められるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されるほか、29日の米国では半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)