【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,358.50  ▼448.96 (3/23)
NASDAQ: 13,922.60  ▼186.21 (3/23)

1.概況

米国市場は原油価格の大幅上昇を受けてインフレを警戒した売りが出て大幅反落となりました。58ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げ昼過ぎに430ドル安近くまで下落した後一旦下げ渋りましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると引け間際に454ドル安まで下落し結局448ドル安の34,358ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も186ポイント安の13,922ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比2.0%減の77万2000戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、金融とヘルスケアが2%近く下落し、情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、不動産も1%以上下げています。一方でエネルギーと公益事業の2業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。そのなかでもホーム・デポ(HD)が4%近く下落したほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)とシスコシステムズ(CSCO)も3%以上下げました。アメリカン・エキスプレス(AXP)とボーイング(BA)、ゴールドマン・サックス(GS)も2%を上回る下落となり、JPモルガン・チェース(JPM)も2%近く下げています。一方でシェブロン(CVX)とアップル(AAPL)、メルク(MRK)の3銘柄が上げ、シェブロンは原油価格の上昇を受けて1%余り上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の下げが目立ちマイクロン・テクノロジー(MU)が4%を超える下落となり、エヌビディア(NVDA)とクアルコム(QCOM)も3%以上下げました。また、住宅ローン金利の上昇を受けてDRホートン(DHI)やKBホーム(KBH)、レナー(LEN)といった住宅建設株が安く、DRホートンが5%余り下げ、KBホームも4%を超える下落となっています。レナーも4%近く下げています。さらにソフトウエア大手のアドビ(ADBE)も3-5月期の業績見通しが市場予想を下回り目標株価の引き下げが相次いだことで9%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%低い2.29%となりました。ドル円は121円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日に回復した節目の28,000円を割り込んで下げ幅を広げそうですが、利益確定の売りが出やすいなかで朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)