東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円安を受けて大幅に7日続伸となりました。382円高の27,606円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を大きく広げると11時前に756円高の27,980円まで上昇し723円高の27,947円で前場を終えました。765円高の27,989円でスタートした後場の日経平均は直後に788円高の28,012円まで上昇した後伸び悩むと節目の28,000円を一旦割り込み13時過ぎに685円高の27,909円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直し14時40分過ぎに832円高の28,056円まで上昇すると結局816円高の28,040円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3.7%高となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きい銘柄に大幅高となるものが目立ちました。昨日の米国市場でハイテク株が買われたこともあってソフトバンクグループ(9984)が7.2%高となったほか、ファーストリテイリング(9983)が5.2%高、東京エレクトロン(8035)も3.8%高となり、この3銘柄で日経平均を270円近く押し上げています。121円台前半まで進んだ円安を受けて自動車株も高くトヨタ(7203)が4.0%高、日産(7201)が3.8%高、ホンダ(7267)も2.9%高となりました。

さらに投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが三井ハイテック(6966)やTDK(6762)で、三井ハイテックが目標株価の引き上げを受けて9.5%高となり、TDKも投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.6%高となりました。また、ハイテク株を買う流れのなかで他の電子部品株も高く日本電産(6594)が4.2%高、京セラ(6971)が3.3%高、太陽誘電(6976)が6.0%高、村田製作所(6981)も3.5%高となりました。ジャスダック市場では投票用紙の分類機器などを手掛けるムサシ(7521)も期末の配当予想を従来計画の12円から10円引き上げ22円にすると発表したことで8.9%高となっています。

一方で電源開発(9513)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.0%安となりました。愛知製鋼(5482)も原材料高による費用増で通期の営業利益の見通しを40億円から20億円に下方修正したことで3.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は816円高となりました。大手金融株や主力ハイテク株に買いが入り昨日の米国市場が反発したことや、121円台前半まで円安が進んだことで大幅高となりました。大きく上げ幅を広げ上値抵抗線として意識されやすい75日移動平均線(27,483円)や一目均衡表の雲の上限(27,716円)を大きく超え節目の28,000円を回復したことで戻り相場への期待が一段と高まりますが、7日間で2,900円近く上げ、25日移動平均線との乖離率も6.6%まで広がり短期的な過熱感も意識されるなかで節目の28,000円を明日以降も維持してさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には2月の米新築住宅販売件数が発表されるほか、23日の米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁が討議に参加する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)