【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,945.24  △1.05 (3/14)
NASDAQ: 12,581.22  ▼262.59 (3/14)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は原油価格の下落を受けてガソリン高が消費減退につながるとの警戒が薄れたことが支えとなり3日ぶりにわずかに反発しましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3日続落となりました。56ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして451ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じ126ドル安まで下落しました。その後持ち直したダウ平均ですが結局1ドル高の32,945ドルとほぼ横ばいで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が31ポイント安の4,173ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も262ポイント安の12,581ポイントとなり2%安となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが3%近く下落したほか、情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスも2%近く下げました。一方で金融やヘルスケアなどの4業種が上げ、金融は1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はアメリカン・エキスプレス(AXP)が3%近く上げたほか、トラベラーズ(TRV)とコカ・コーラ(KO)、ビザ(V)、スリーエム(MMM)も2%近く上昇しています。一方で中国で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか中国事業の比率が相対的に高いナイキ(NKE)が4%を超える下落となり、インテル(INTC)も3%余り下げました。アップル(AAPL)とシェブロン(CVX)、セールスフォース・ドットコム(CRM)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が安くグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)と電気自動車のテスラ(TSLA)が3%を上回る下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)と動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%を超える下げとなりました。また、半導体株の下げも目立ちクアルコム(QCOM)が7%以上下げ、エヌビディア(NVDA)も3%以上下げています。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とウエスタンデジタル(WDC)も2%近く下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.14%高い2.13%となりました。ドル円は118円台前半まで円安が進み2017年1月以来約5年ぶりの円安水準となっています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことで小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も円安を好感した買いがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)