【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,944.19  ▼229.88 (3/11)
NASDAQ: 12,843.81  ▼286.16 (3/11)

1.概況

先週末の米国市場はウクライナ情勢を懸念した売りが続き続落となりました。105ドル高でスタートしたダウ平均はロシアのプーチン大統領がウクライナとの対話で前進があったと述べたと伝わったことで朝方に341ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとロシア軍の攻撃が拡大しているとの報道もあり引けにかけて売りが優勢となり下げ幅を広げ結局229ドル安の32,944ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も286ポイント安の12,843ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は59.7と前月から低下し2011年9月以来の低水準となり市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと情報技術、一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、生活必需品も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)とアップル(AAPL)、JPモルガン・チェース(JPM)、スリーエム(MMM)が2%以上下落し、マイクロソフト(MSFT)も2%近く下げました。一方でマクドナルド(MCD)が2%余り上昇し、キャタピラー(CAT)とトラベラーズ(TRV)も1%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が5%を上回る下げとなり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%以上下落しています。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も4%近く下げています。半導体株も安くマイクロン・テクノロジー(MU)が4%近く下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)、ウエスタンデジタル(WDC)も2%を超える下落となっています。また、新興の電気自動車メーカーのリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで7%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は変わらずの1.99%となりました。ドル円は円安に振れ117円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の日本市場が米国市場の下落を先取りする格好で大幅安となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もウクライナ情勢などに神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)