【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,632.64  ▼184.74 (3/8)
NASDAQ: 12,795.55  ▼35.41 (3/8)

1.概況

米国市場はバイデン米大統領がロシアからの石油や天然ガスの輸入を禁止すると発表するなかインフレが景気を冷やすとの懸念が強まり4日続落となりました。67ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくしてマイナスに転じると238ドル安まで下落しましたが、押し目買いが入り切り返すと昼過ぎにプラスに転じ上げ幅を広げ585ドル高まで上昇しました。しかし、買いが続かず引けにかけてマイナスに転じると結局184ドル安の32,632ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も35ポイント安の12,795ポイントとなっています。

2.経済指標等

1月の米卸売在庫は前月比0.8%増となり市場予想と一致しました。また、米卸売売上高は前月比4.0%増となっています。さらに1月の米貿易収支の赤字額は前月比9.4%増の896億9200億ドルとなり過去最大の赤字となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、生活必需品とヘルスケアが2%を超える下落となりました。一方でエネルギーと一般消費財・サービスの2業種が上げ、エネルギーが1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもコカ・コーラ(KO)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が4%近く下げたほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ナイキ(NKE)、シスコシステムズ(CSCO)、セールスフォース・ドットコム(CRM)、ウォルマート(WMT)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も2%以上下落しています。一方で投資判断と目標株価の引き上げを受けてキャタピラー(CAT)が6%を超える上昇となり、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)も5%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想を上回る増収増益となったスポーツ用品店のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)が2%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%高い1.85%となりました。ドル円は115円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が大きな下げとならなかったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか短期的に売られ過ぎとなっている日経平均に自律反発の動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)