【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

グランビルの法則通りの展開へ

前回のコラムで解説した値動きを早速振り返ってみたいと思います。前回は、下向きの25日移動平均線に接近していることから、グランビルの法則2つを紹介しました。

1つは、「下降中の移動平均線に接近して届かなかった場合は売りサイン」というものです。もう1つは、「下降中の移動平均線を上回った場合は売りのサイン」というものでしたが、実際の値動きを見てみると、グランビルの法則で紹介した2つ目のパターン通りの値動きになっているのが分かります。

ウクライナ情勢の緊迫化によって地政学リスクが高まる中で株価の戻りが続き、下向きの25日移動平均線を上回ったのが2月10日でしたが、陰線を形成して終えており、上値が重たかったことが見て取れます。また、3連休明けの2月14日には窓をあけて急落する展開となってしまいました。

さらに翌営業日の2月15日も続落で終えており、指摘したグランビルの法則通り「下降中の移動平均線を上回った場合は売りのサイン」の展開になったと言えるのではないでしょうか。

このような結果を見るにつけ、パターン化された過去の値動きを知っておくことが、如何に重要かが分かりますが、実は他にも同様な値動きが発生している場面があるのですが、みなさん分かりますか?

そうです。1月18日の取引時間中に下向きの25日移動平均線を上回る場面がありましたが、終値で25日移動平均線に押し返され、翌営業日に窓をあけて下落し、その後も下落が続く結果となっているのです。

このように、株価はランダムに動いているように見えて、実はこうした法則が当てはまる場面があるということを頭に入れておくと、チャートも違って見えるのではないかと思います。

新たに発生した窓と今後の株価動向について

ところで、2月14日の大幅安で窓が発生しましたが、この窓はどの窓と考えられるのでしょうか。もうみなさんお分かりだと思いますが、過去の値幅の範囲内であることから、私はコモンギャップ(=普通の窓)と考えています。

そのため、近いうちにこの窓を埋めることも考えられるのではないかと思いますが、そのためには、再び下向きの25日移動平均線を上回る必要があります。

ただ、移動平均線を上回って窓を埋めたとしても、25日移動平均線が下向きのままでグランビルの法則が再び当てはまってしまった場合、反落することが考えられますので、買ってはいけない場面ということになります。

ではどうなれば、株価が反発に向かうことができるのでしょうか。そこで注目されるのが、グランビルの法則の買いシグナル発生のパターンです。

買いシグナルのパターンについては、今後の値動きを確認しながら、兆しが見え始めたところで紹介していきたいと思います。